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左巻・舟唄温泉
  山形市西部にある大江町。ここに山形県でもトップクラスにユニークな温泉施設「柏陵荘」がありました。温泉名が2つ冠されていることにお気づきでしょうか。そう、この温泉は泉質の異なる2本の源泉を使用していたのです。1本を左巻温泉、もう1本を舟唄温泉と言いました。(正式には大江1号源泉というそうですが)。左巻温泉は大江町を流れる最上川が丁度源泉湧出付近で左に巻いて流れているところから命名したそうです。冷鉱泉で加熱循環、泉質的には重曹泉系でありました。対して舟唄温泉は同じく最上川の有名な“最上川舟唄”にちなんで命名されたとのことで、高温泉で掛け流し、硫黄泉系の湯で見た目にはいわゆる「墨湯」とでも言うべき、濃いめのグレーの湯でした。
  大江町の産業振興公社が運営する左巻・舟唄温泉には2つの施設があり、老人福祉施設「柏陵荘」と日帰り温泉の「テルメ柏陵」でこの2つの温泉をそれぞれ使用していました。特に柏陵荘は大江町の「道の駅・大江」のすぐ隣で、内湯の湯船が2つしかないまさに当研究所好みの温泉でしたが、初訪問時の2003年には独自源泉の1本「左巻温泉」が廃止予定と掲示してあり、更にレポートを作成せずに5年以上もほかしていたらば、柏陵荘の代名詞でもある“墨湯”の大江1号源泉が2006年3月に枯渇し、新しく掘られた3号源泉は色も香りも1号源泉より弱いそうです。月日の流れはいずこも変化させてしまいます。温泉は自然のものなのです。


2003年訪問しました。
  どうしても当研究所、共同湯のアップの方が先回しになってしまい、いくら特色があってもこの様な老人福祉系のような施設は埋もれていることが多いようです。   この温泉は朝6時〜21時まで営業しており、道の駅から徒歩1分でいけるので基本車中泊派にも最高の場所です。下:内湯と半露天があり、露天の外は最上川が見えます。


  この様に黒湯とも白濁泉とも違う「硫黄の香りが漂う食塩泉」でした。   今は同じような名前の泉質ですが、例えば長野県山田温泉の様に薄い白濁泉にパウダースノー状の湯ノ花が沈殿するような湯に変わったそうです。

  画像を見返してみても、意外や美しい色に写っているので、もうこの色の温泉がないのかと思うとちょっぴり寂しいです。   ここは再訪して自身の目で確認せねば。


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