温泉文化研究所(HOME) 》  埼玉県県別リスト  》  百観音温泉


百観音温泉
  埼玉県鷲宮町にある東鷲宮駅はJR宇都宮線で上野から50分ほどの距離にある駅だ。実は主任研究員Aはこの駅から3つ先の野木駅から通勤している。細かい話だが、この辺は埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県のしっぽがちょろちょろっとのびてできているエリアなので、実は東鷲宮の隣の栗橋駅はまだ埼玉県だが、その隣の古河駅は茨城県となり、さらにその次のAの利用駅「野木駅」は栃木県となる。更に鉄道から離れてみてみれば、野木町のお隣は藤岡町で、藤岡町に隣接するのはそれぞれ栃木県佐野市と群馬県館林市、更に古河市の南に隣接するのは千葉県野田市なのである。この5つの県が入り交じる私の生活圏に青森県の公衆浴場にも負けない湯とそれを掛け流しで用いる「百観音温泉」がある。
  この百観音温泉は当研究所の「駅前温泉」のコンテンツにも収録予定の温泉で、東鷲宮駅から徒歩2〜3分の立地にある。距離にして200bほどと思う。今回は実際にはかってみたが、2分30秒程度で駅舎の出口から温泉の建物画像を撮影する位置にまで達した。浴舎も内部も湯も何もかも首都圏にいることを忘れてしまうような青森県の公衆浴場を彷彿とさせるこの温泉は埼玉県内の温泉としては極上お勧め温泉の一つであると思う。湯ははっきりと塩味を感じる海水のような塩化物泉で、浴室にはいるとぷ〜んと甘い薬品臭がした。秋田県の日本海沿いの「道の駅象潟」の温泉や「ポルダー潟の湯」に香りがそっくりであった。内部はゆったりとした内湯と最初にできた露天、そして増築した新露天の3カ所に分かれている。適温の露天浴槽から湯が一番濃くて45〜6度に設定されている立ち湯までいろいろな浴槽があり、肩のこりにてきめんに効く消防車の放水のような打たせやぬる湯の露天もある。また、水風呂には井戸水を使用しているときいたが、これがまたまた青森県を思い出させるような冷鉱泉使用で、はっきりとエメラルドグリーンに色づいていた。湯は体の芯にズシーンと来るものなので、人によってはあまり長湯できないかもしれないが、とにかく何もかもがハイレベルにあり、湯に浸かっていると上野から電車で50分しか離れていない場所であることを忘れてしまう施設である。
利用時間=8:00(土休日は6:30)〜23:00 毎月第三火曜休み  利用料金=700円  0480−59−4126




2008年9月訪問しました。
  私にとっては毎日見ている日常でしかない光景。東鷲宮駅はユニークな形をしており、上りホームは高架、下りホームは地上にあり、下りに乗るなら改札から乗り場まで20メートルほど。まるでローカル線のようです。   ここから温泉まで100メートルの直線を二本歩くのみ。途中一度だけ、角を曲がります。
  駅を背にして改札から西進。この看板を見つけたら、右折。   すると100メートルほど先にすでに百観音温泉が視界に入ります。
到着。行きは時間計りませんでした。   平成10年10月に湯が出たと書いてありました。そもそも最初は無料の仮設湯だったはず。大宮に住んでいながら情報を知らなかったのはちょっぴり悔しいです。
  入り口。   脱衣所。
  そして内湯です。手前は普通湯。奥はジャグジー。   ジャグジーもソフトなもので、背中に垂直に当たる程度でむしろジェットレベルです。
  塩分の多い湯は粘度が高いのでしょう。しばしば泡がたちます。先刻、北陸の湯も塩化物泉が多く、このような光景を何度も見ました。   一番湯が濃かった気がする立ち湯。45〜6度に設定されています。
  神秘的な色です。黄色にも、   黄金色にも。
  モスグリーンのようにも見えます。   常連のおとうさんといっしょに。


  立ち湯の湯は熱いのでそのまま下に岩風呂の源泉風に流れ落ち、ぬるゆの露天にたまります。   ここは日差しが強いときもゆっくり入れて実にありがたかったです。
  左から。   手前からオーバーフローが美しく流れ去ります。
  内湯のすぐ外が露天です。   こちら新露天。とにかく巨大でした。が、昼間は直射日光でまぶしく、こちらは夏は夜に入ると気持ちよさそうでした。
  打たせ。すごい勢いでぬるゆが出ます。効きました。   井戸水の水風呂。ちょっと暗くなってしまいましたが、実際はもっと明るいエメラルドグリーンです。

  16時頃でしたが、意外に混んでいて、なかなか無人にならずおっかなびっくりの撮影でした。しかし地元のお父さんたち曰く、「金曜はすいているからいつも金曜に来るんだわしら」。では土休日はどんな状態?   まあ、湯は濃かったです。おまけに終始不思議な薬品臭が漂い、塩素の代わりに入れている消毒薬かと思いきや、常連さんによれば最初からこのにおいがしたと。


  非常に画になる露天風呂。   今度は晩秋に来たいです。



温文研ホームへ 県別リストへ


inserted by FC2 system