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雲母温泉共同湯
上関共同湯
湯沢温泉共同湯


えちごせきかわ温泉郷
  えちごせきかわ温泉郷は、昔“荒川峡温泉郷”と呼ばれていました。新潟県北部の関川村を流れる「荒川」の川沿いに5つの温泉地が点在しているからです。この5つの温泉地(すなわち、鷹の巣温泉・高瀬温泉・雲母温泉・湯沢温泉・桂の関温泉)にはすばらしい風情を誇る共同湯や個性湯を注ぐ共同湯が3軒点在しており、行くたびその価値を見直させてくれます。
  3軒の共同湯は、雲母温泉・湯沢温泉・桂の関温泉にそれぞれあり、残る鷹の巣温泉は旅館が2軒のみ、高瀬温泉は旅館がたくさんありますが、残念ながら共同湯はなく、足湯がある、といった状況です。
  雲母温泉の共同湯は正に当研究所のストライクゾ〜ンど真ん中の施設でありまして、国道からわずかにそれただけの立地でありながら、無人のお賽銭式で営業をしている、【新潟県の至宝】とも【温泉文化遺産】とも呼べる佇まいをみせてくれます。桂の関温泉には本当は道の駅にも日帰り湯“ゆ〜む”があり、“上関共同湯”と合わせると本当は2つなのですが、まあ、当研究所的には生活温泉たる上関共同湯を取り上げるのみにしておきます。また、上関共同湯は雲母温泉の湯をひいているそうです。湯沢温泉共同湯は、やや茶色味を帯びた(もしかしたら底が赤く染まっているのでそのせいかもしれませんが)卵臭の湯を注ぐ個性泉です。


えちごせきかわ温泉郷
湯沢温泉共同湯    国道からそれた湯沢温泉の集落にある共同湯。一応番台式で150円ですが、料金はお賽銭方式でいれます。料金箱の先に小上がりがあり、当番のおばちゃんとフロ上がりのおばちゃんが入り交じってにぎやかそうです。割と入浴客が来る感じですが、その割には湯船が小さく、地元の方と一緒になると順番待ちのようななんともいえない時間となります。温泉は掛け流しで濁り湯ではないですが鉄分が強いイメージです。

     6:00〜18:00 150円
雲母(きら)温泉共同湯    国道に沿う細い測道沿いにあり、国道には結構交通量がありますが、ほんのわずかしか離れていないここは別世界のような静かさとたたずまいです。全国的にも風情のありようではかなり上位に位置するこの共同浴場の佇まいは非常にシブく、無人のお賽銭方式ということも相まって、共同湯ファンを魅了します。湯船も小さく、受け入れられる人数には限りがありますが、あまり人の気配を感じない、落ち着いた雰囲気がいつも漂っています。外部には看板や湯小屋であることを示すものは何もなく、黙って中に入り、手提げ箱に100円入れて脱衣所に行きます。

     6:00〜21:00 100円
上関共同湯    国道から脇道へほんのわずかの距離(3メートルくらいか)しかはいらないにもかかわらず、ものすごくひなびた雰囲気と趣を持った共同湯です。番台式の構造になっていますが、人がいないときもままあり、お賽銭方式の時もあります。150円です。湯船は意外な大きさですが、気持ちよく湯が掛け流され、洗い場もたっぷりとあり、でもシャワーはないという、湯船からくみ上げて体を洗うとても風情のある共同湯です。

     6:00〜21:00 100円


雲母(きら)温泉の共同湯です。
 外側には看板など何の表示もありません。このような浴場ではとにかくよそから来た人間は、現状維持を厳守しなければなりません。残すのはお金だけ、ゴミもここではすてないようにし、湯や水の節約も考え、元々は湯小屋を維持する方達がいなければ入浴施設自体存在しないのだと言う気持ちを忘れないようにしたいものです。
  料金箱です。上の建物の扉を入ると右側がこうなっています。それにしてもなんと素朴な料金箱でしょう。思わずにやりとしてしまいます。
  料金箱の周囲はこんな感じです。ここに入浴料を入れる箱がなければ、公民館か部落の集会所の入り口にしかみえません。右の木戸が女湯、左が男湯で、ここで靴を脱ぎ、小上がりになっている所に上がります。扉前に段差があるのもまるで日本古来の民家のようです。
  浴槽です。大人2人がせいぜいでしょう。それでも足は伸ばせないかもしれません。右のからん、手前が温泉で、奧が水自分で調整します。もちろん出しっぱなしにすれば掛け流し温泉となります。お湯を少しだけ開放し、自然な温度調節をしながら、水は節約と言うところでしょうか。
  からんです。温泉成分で虹のようになっていました。ミネラルかなにかでしょうか。一回だけ湯船からあふれるまでお湯を全開に出してみました。洗い場にザザーと湯が溢れしばし言葉をうしないます。ああ、温泉を管理されている方、本当にありがとうございます。そしていつまでも守り続けてください。


  この画像だけを見ているととても共同湯とは思えません。   サイズ的には“自家泉”のものですね。それもちいさめの。
  雨の昼下がりにおじゃましました。この日は「日が差したり土砂降りになったり」を繰り返す、読みづらい天気でしたが、幸い曇りだけは出ませんでした。   時に2003年9月。まだこまめに三脚を使うくせがなく、タイマーの画像のアングルがまちまちの頃でした。

上関共同湯
  ここは温泉地名としては「桂の関温泉」にあたります。この共同湯は「上関共同湯」といいます。交通量の多い国道のすぐ脇にあり、ひなび加減がミスマッチです。あいにくの降ったりやんだりの雨であまり、コンディションはよくありませんでした。自治体では道の駅の大規模浴場ゆーむの宣伝しかしていません。当研究所はこの様な浴場こそ大切にしていきたいと思っています。
  サッシを開けるとこうなっています。お賽銭方式になっていますが、管理人さんがいることもあります。いずれにしてもこういう形は日本古来からの文化であり、善意で成り立つ部分が多くてほほえましいです。
脱衣所と浴室入り口です。
  浴槽です。湯は特徴のあるものではありませんが、蕩々と掛け流され、この地域の3軒の共同湯の中では一番足をのばしてゆっくりと浸かれます。
    下駄箱と脱衣所への入り口です。 
   洗い場はこんな感じ。   
  縁を洗うオーバーフローが極めて“湯心”をかき立てる浴場です。   この頃から“手をぬらさない”為のポーズの工夫が始まっていたように思います。




2003年9月訪問しました。
  湯沢温泉共同浴場です。   3軒の中では一番王道を行く共同湯であるように思います。
  道がやや狭いですが、車でここまで入ってきて停めることができます。   雲母温泉では土砂降りだった雨が、急に青空に変わりつつありました。
  もうちょっと早くなっていてくれたら。この後、雲母温泉に戻りましたが、17時を過ぎていたため、地元の方が来ていて、車がじゃまになり湯小屋を写せませんでした。   ここはもしかしたら、18時以降はジモ化されるのかもしれません。
  中に人はいますが、支払い方法はお賽銭式です。   脱衣所をのぞくと・・・・。先客がいました。
  この頃は何が何でも自分の入浴画像を写す・・・というこだわりもありませんでしたので、お父さんたちに断って湯船だけをぱちり。   これが案内です。



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