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つつはの湯
  鹿児島県の『吉松温泉郷』と宮崎県の『京町温泉』はそれぞれ県境に接しており、お互いのエリアを湯巡りしていると走行中いつの間にか境を越えてしまうと言った近さがあります。事実両温泉はJR線のほぼ隣り合う駅同士を中心に展開していて、「京町温泉」駅と「吉松」駅の丁度中間くらいに県境が通っています。(実際には2駅の間には鶴丸温泉を擁する無人駅「鶴丸駅」があります)いや、もっと言ってしまうとそのJR線も実は一本ではなく三つ又に吉松駅から枝分かれしており、JR吉都線の隣接駅は「京町温泉」駅ですが、肥薩線側の隣接駅(実際は3つ先)は熊本県の「人吉温泉」という立地で、全国に名を馳せる超有名温泉地が3つも一カ所に固まっているのです。そんなこの辺り一帯のエリアは、北薩摩と逆転して公衆浴場王国というよりも、正にthe共同湯の名に恥じない安価な共同湯がひしめき合う温泉銀座となっています。上記の通り、本来京町温泉は宮崎県なのですが、このエリアはまとめて考える方が見やすく考えやすいので鹿児島県のリストの方に一緒に載せています。安価で個性的な泉質を持つ数々の温泉には当研究所所員の方ならばまず間違いなくノックアウトされるはずです。鹿児島(九州)は青森県同様、九州にお住まいでない方が数日間の予定での湯巡りとなると温泉選びに限界があり、テーマ決定や極狭いエリアでの選択を実施して行かなければなりません。(どこをカットするか悩んで悩んで湯巡りしましょう。)
  つつはの湯はそんなハイレベルの地域にあって鄙び系共同湯の中でも比較的大きな施設(湯船)の温泉です。浴舎の内部に番台が設置してありますが、基本的に入浴希望者は母屋のおかあさんに払いに行くシステムになっており、無人の湯小屋です。内部は昔の造りが随所に残る温泉文化遺産的な代物で山鹿の桜町温泉のイメージです。


  下:表側にまわって少しだけ恐る恐る。まさかもう廃業したのか。この手の温泉はそういうこともままあるので、最後の瞬間まで安心できません。    上:シブイ。渋すぎます。なんという存在感。ただ、このロケーションにこの湯小屋があるだけなのですが、この胸に訴えるものは何なのでしょう。
 道にはこのように立派な看板が。
 いや〜、外観に負けず劣らずのすごい内装です。
 この成分表などいつのもので、いつから手入れされてないのでしょう。
 往時を偲ばせる番台。今は活きていないようです。
  脱衣所。次の瞬間、『入るのかい?』急に話しかけられました。どうも番台にお金を置く「お賽銭方式」ではなく、母家に払いに行くタイプだったようでこの場でおかあさんに手渡ししました。
   来ました。真冬の早朝(6時45分?)。扉を開けた瞬間何も見えません!!  これはすごい湯気です。外から見えていた湯気は中のものが湯小屋の天井から洗い場まで充満し、漏れていたのかも。 
   下:とるものもとりあえず浸かりたかったのですが、この状況だと浸かったら水位が下がってしまいそうです。(どうせなら満水画像撮りたいけど、いったん浸かった後、外で満水になるのを待つのが辛いくらい寒かったのです)。仕方ないのでとりあえず先に、まっぱで数枚撮影。でもやっぱり湯気はどうしようもなく、こんな画像だけでした。
 どれくらい浸かっていたかわかりませんが、あったまって出てきたらようやっと日が当たり始めました。   湯は無色透明無味無臭です。

とうとうつつはの湯の美しい画像入手に成功しました。温友太宰楼さんに感謝します。
2009年秋の様子です。








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