温泉文化研究所(HOME) 》  鹿児島県県別リスト  》  湯川内温泉









湯川内温泉  かじか荘
 湯川内温泉は鹿児島県の山中の一軒宿の温泉です。出水市の市街地から、ほぼ街灯がない、看板も何もない、心許ないくねくね道を上ってやっと着きます。はじめての宿泊の方は日が暮れてからの到着はさけた方がいいかもしれません。夜にはこの周囲には人工的な明かりは何もありません。しかしそれほどの山中であるにもかかわらず、日帰り入浴の方は引きを切らず、終了時刻となる22時までじっくりとつかっていかれます。湯川内温泉は全国的にも珍しい泉源の上に直接湯船をしつらえた温泉で一つは砂地、一つは岩が多い砂地と大小2つの足下自噴温泉を敷地内に所有しています。その湯は硫黄というかゆで卵というか独特の硫化水素臭がぷんぷんする湯でややぬるめの37度です。冬場などは最初入ったときはこれではぬるくて出られないと感じる時もあるかもしれませんが、そこは料理の湯煎と同じ、じっくりと1〜2時間体が湯と同じ温度になるまでおしゃべりや瞑想、体操をしながら浸かる事が肝要です。すると2月であっても体は服を着終わった後ほかほかし、それがしばらく続いて、体を保温するという意味では超一流の実力の温泉です。加えて湯船の深さと湯量の豊富さを実感すると本当に貴重な温泉に浸かっていると実感することでしょう。
  この温泉は今現在の当研究所の経験の中では『日本一の足下自噴泉』であると考えています。


  道を登り切ると突然街灯で明るくなっている所が近づいてきて明るい朱色の屋根が目に入ります。
  この旅館は宿泊にも最高にお勧めで素泊まり湯治の場合

”2500円”
しかかかりません。湯も、部屋での静かさも、のんびり感も何もかも最上の物が味わえます。
  泉源は2カ所有り、どちらの源泉も豊富な湯量を誇る自噴泉で、その泉源の上に直に湯船をあつらえて居ます。
  この画像は2つの泉源のを元にした湯小屋の内、上段に設置されたものです。湯小屋はこちらの方が、湯船は下段のものの方が風情がありよいです。
  こちら下段の湯小屋。入り口は湯治棟(宿舎)に面していて広がりがないので、後ろから撮りました。
    左:看板。


  下:かじか荘の足下自噴浴槽。このまま画面の中にダイブしたくなります。この画像も自画自賛ですが傑作の一つです。
  これは2つの大浴場のうちの下段にある大きい方の浴槽で、底が河床のような砂地になっています。よく池などで、底の砂がはじけている様子がはっきりと見える名水の里のイメージの映像で見られるようなこんこんと地中から沸く地球の処女水の姿を、ここでは温泉としてみることができます。この画像を見るだけでまた行きたくなります。旅館の話では年に数回行うすべての湯を抜く大掃除において再び湯を貯めようとするとこの巨大な湯船がわずか30分で満たされると言います。この状態でも湯は絶えず木枠の外に溢れさらさらと清流のような音が絶えません。浴室には卵臭がぷんぷんしています。余談ですがこちらの水道も多分冷鉱泉です。   宿泊においては、安楽みょうばん湯と同様、こたつとテレビのお金がかからず安い上、湯の質がすばらしいので、私は鹿児島旅行の時にはよく利用しました。もちろん24時間湯に入れます。(深夜に真っ暗な浴室の明かりを自分で点灯し、たった一人で全く物音がしない温泉に浸かっているとトリップできます。12時から1時頃がお勧め。旅館の方は23時以降概ね戸締まりをし、一旦明かりを消して休まれます。この後が独占のチャンスです)浴槽は深く、底に立つと大人の胸くらいあり、皆周囲の木枠に座ったり、更に木の台座を利用して半身浴したりします。

   2004年2月現在のデータです。宿泊の際は直接お問い合わせください
  間抜けな姿ですね〜。なぜこんなしがみついた格好かというと、タイマーセット後、湯船に入ると湯量が多すぎて波立つ湯面に翻弄されて、体と顔がぶれてしまうのです。それほど深く、また湯船内の湯の体積が大きいのです。   浴感はとても水圧が高く、全身を浸していると体中が湯に包まれ、いわば『聖水』『霊水』の類に浸かっているような息苦しさを覚えてくるほどです。
  下:上段の湯小屋の湯船。一回り小さく、湯底は巨大な岩だらけで、硫黄の為かなりつるつる滑ります。









温文研ホームへ 県別リストへ



inserted by FC2 system