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蓮台寺温泉
 南伊豆の雄・下賀茂温泉の陰に隠れ、何となく元気がないように写ってしまう蓮台寺温泉は下田から国道414号にて少し北上した場所にあります。伊豆急の蓮台寺駅からも徒歩で恐らく2〜30分(距離にして1キロ強)の立地にあるこの温泉は下田からもわずかしか走行しなくてもいきなり海のにおいとは無縁の温泉地となります。かつては30軒近くあったといわれる旅館も今では一桁の数字になってしまったらしく、歴史ある名湯はこの後どうなるのでしょうか。
 蓮台寺には外来可能な共同湯は一軒もなく、唯一の日帰り湯と言っても良い下記レポートの旅館「弥五平」も廃業し、吉田松陰先生ゆかりの共同湯(ジモ)があるだけです。
 しかし、江戸時代から続くこの町の風情はそこかしこに武士が生きていた頃の「におい」が残っており、実は「弥五平」さんの前(横?)の細い道が江戸から現存する街道筋であり、だからこそ組合員専用の共同湯もココにあるのだそうです。(言い伝えでは松陰先生はこの共同湯で夜明かしをするつもりが、金子先生と出会い、その後かくまってもらったそうな)


温泉街の風景
 蓮台寺温泉でのPは現在決定打がありません。以前は国道414号から蓮台寺へ向かって行くと稲生沢小学校の前当たりから急に道が細くなります。そこから500bほど進んだ、進行右側に弥五平のPがありましたが、廃業後はどうなっているでしょう?この場所から更に大通りと反対方向へ行くと松蔭がかくまわれた家、そして蓮台寺区の組合員専用共同浴場があります。
  左の画像の奧へ進んでください。
  松蔭がかくまわれた医師の家。伝承に寄れば松蔭はペリーの黒船が下田に居る折りに接触しようと厳戒態勢の下田(当時は軍港だった?)に来たが警備が厳しすぎてここ蓮台寺温泉の共同湯で一晩あかそうと考えた。入浴中に医師「金子某」に事情を聞かれ、医師の家の2階に潜んだ、というものです。
  そして上の画像の木の門で振り向くとこの左の画像になります。奧が松蔭先生が潜んだと言われる「共同湯」、左が弥五平です。
  こちら医師の家の湯どころ。松蔭はここにも浸かったとされています。医師の家は入場料100円か200円で入れますが、この湯には入湯禁止です。
  湯権現の手水場。
  湯権現の由来。
  天馬神社手水場。旧街道の途中にあります。湯がざんざん捨てられています。
  同上。


※旅館「弥五平」は2011/03を以て廃業しました。もう入浴できません。
 非常に良い浴室を持っていただけにとても残念です。

旅館  弥五平
  で、弥五平です。後ろは竹藪といいますか、小山のようなものが迫り、行き止まりの場所にある感じです。
  フロント。この木の臼でかつては餅つきを行ったそうです。
  格子天井という古い仕事だそうです。大工さんが泊まりに来ると本職の方でもうなる仕事だとか?

  玄関にて。
  玄関のすぐ左に「別府の隠し湯」のような湯気抜きが見えています。
  まず脱衣所へ、落差50〜70a。
  次に脱衣所から浴室へ、落差70〜80a。

    下:そして湯舟。更に掘り下げてあります。
  浴室は基本的に切石を組み上げて作られており、ものを置く場所(棚)は昔のお城のような造りになっています。
  浴室の4隅の様子。脱衣所の真下。
  上の画像の対角。椅子のしまい方が何とも言えません。
  入り口方向。左上のサッシの場所が本来の標高です。
浴槽を反時計回りに。
  脱衣所から除いた浴槽です。向かって右下の一番階段から近い浴槽に左から源泉パイプが延びていて、足下湧出になっています。元々下の石組からもじわじわ湯が湧く足下自噴浴槽に宿の敷地内からもう一本源泉を引いて、湯量をたっぷりにしているそうです。

  全ての浴槽は隔壁に穴が穿ってありつながっていますが、実に巧みに右下から反時計回りに温度が順々に下がっていきます。
  これがダブル源泉浴槽。湯が盛り上がっている下の方に塩ビ管が見えます。ここは熱湯好きの方のための「45〜7度」の浴槽です。足下自噴のためか普通は肩口が熱くなる物ですが、この浴槽は表層だけでなく足裏も熱いという珍しいものでした。
  反時計回りに2番目の浴槽。旨く温度調整され、この浴槽は普通に43度くらいの熱湯でした。
  左上が3番目。この辺から、浸かって心地よくなります。
  そして、ぬるめの40度前後の源泉槽のすぐ横。ここは45度以上と思われるダブル源泉浴槽とつながっているのに実に巧みに温度調整されています。不思議でした。
  湯舟の湯はあくまでも澄み切り、切石の美しさと共に湯が新鮮で清潔だと言うことが視覚的にも伝わります。
  この湯気抜きを見上げた光景は正に別府にテレポーテーション。
  ぬるゆでまったりする主任研究員。   この素晴らしき温泉文化遺産を何時までも残したいですね。


オプショナルツアー   下田・亀遊
  今回の旅は温泉文化研究所の所長さん(奥様)の慰安旅行だったので、メインの目的はこのお食事処「亀遊」さんで、「金目鯛」を食べることでした。伊豆の金目鯛は1年中味わえる味覚ですが、ここ下田・亀遊では『その日の朝に上がったとれとれの金目鯛をその日の内に消費する』という話を聞き、名物の「金目鯛の釜飯」を食べに行きました。

  下田・亀遊・・・・・ 下田市1−10−18連尺通り  TEL0558-22-8698   11時〜22時。
              下で紹介したメニュー=お任せ定食(3200円)この他4千円〜6千円。
              金目鯛釜飯(1600円)他さざえなど各種有り。
  メニューには色々ありましたが、まず金目鯛の釜飯(1600円)をオーダーし、次に色々付いている「お任せ定食」の一番安い(3200円)のをオーダーしました。

  左の画像はお任せ定食の前菜、「茄子田楽」「刺身盛り」「ひじきの煮物」(食っちゃいました)「香の物」です。
  こちらお任せ定食のメインの「金目鯛の焼き物」です。ポン酢でたべます。
  焼き物が出ると「ご飯」「ジャンボわかめ汁」「もずく酢」が出て来ます。
  奥さんが注文した釜飯。お茶碗3杯分くらい。お任せ定食と釜飯をそれぞれ半分こにするくらいでおなか一杯です。
  食事は野菜も魚も全て地物。味付けも「これはいまいち」というものは一皿もありませんでした。間違いのないお店です。


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