温泉文化研究所(HOME)  》  伊豆・箱根エリア温泉リスト 》  熱海温泉

熱海温

  熱海温泉は伊豆半島の玄関口に位置する温泉で、マイカーでは小田原厚木道路から真鶴道路経由が一番便利です。熱海は一昔前には日本の新婚旅行の代名詞でした。そして次の世代における異名は「大観光温泉地」としてパック旅行や宴会の代名詞へと変化しました。しかしそれぞれの時代も今となっては終演し熱海は現在次の姿を模索しているようです。が、そんな世間のイメージや評価とは無縁に湯はあくまでも本物で、根気よく徒歩で歩くと様々な発見があります。そしてその先には当研究所の所員の方ならば誰しも共通に感じる熱海温泉の底力が見えてくるはずです。さあ、皆さんもメディアには現れ難い熱海温泉の姿を体験してみてください。そして出来れば共感頂き、現地へ赴いて頂きたいと思います。


熱海温泉の歩き方
  熱海温泉は本当に湯巡りが大変な温泉です。何より、町は海から山に向かっていきなり傾斜をあげ、至る所が坂になっていたり、斜めになっていたりします。また、車には向かないような生活道路や曲がりくねった細道が多く、更に共同湯自体がPを持っているところは極わずかです。また、一旦車を置くと今度はこの傾斜がくせ者で徒歩には本当に辛いのです。基本的に車でまわられたい方はコンパクトカーの使用をお勧めします。そうしないと入浴のために必要最低限の路駐をと思っても、困難になります。基本的に海岸沿いには有料のPが多いので旨く利用されると時間短縮になります。しかし当研究所の移動研究室のような場合には、あきらめて徒歩でまわってください。
  まず、最も便利なPはJR来宮駅のタクシープール内のPで車4台分確保できます。(もし空いてなかった場合は駅前の有料Pに入れてください。ここは高さ制限もなくまた、恐らく一番安いです)。タクシープール内は無料の上、訪問が最も難しい山田湯や水口町の浴場までも比較的簡単にいけます。本当は以前は竹の沢温泉もここから歩けたのですが、(まあ、ものすごい傾斜の坂をかなりあるかねばならず、遠方から訪問される方は時間ももったいない感じだったのですが)ジモ化され入浴できなくなってしまいました。
  歩きを楽しめる方は来宮駅の前の急坂を下り、まず水口第一浴場を目指しましょう。次に山田湯や清水町の共同湯を目指しましょう。また、時間に余裕のある方は熱海駅方面に向かい、上宿新宿共同湯、福島屋旅館、湯前神社の湧泉などをみてもおもしろいです。
  (ちなみに車中泊の場合にはこの駅から車を動かし、更に山の上に進み、4キロほど先のひめのさわ公園のPがお勧めです。無料で使用でき、夜間はローリング族が来ない限りはものすごく静か、トイレは24Hなのですが、道の駅ではないので、ある程度のキャンプもできます。)

熱海七湯
  非常に紛らわしい熱海七湯です。土地勘のない方はこの表現だと共同湯が7つあるとか、別府八湯のように熱海市内に温泉場が7つあると思ってしまうのではないでしょうか。この場合の7湯とは熱海の古い源泉のことで現在この7湯の中で実際に共同湯があるのは走り湯の浜浴場だけです。後は単なる観光ポイントと化しており、せいぜい温泉卵が作れれば良いところです。まあ、大湯と走り湯を見れば十分かと思います。逆に七つ全部まわった人はすごいです。


熱海温泉  共同湯
水口第1浴場    先ほどの橋で左折後精肉店を通過、最終的に郵便局前に出ます。郵便局の右前に小さな橋がありますが、ここを削り節やさんの方向に100メートルほど進むと角に酒屋さんとその倉庫があります。このうち酒屋さんの倉庫とマンションの間の何の表示もない2枚ドアの建物が温泉です。
    14時から21時。250円。
山田湯
熱海で唯一午前
中に入れる共同湯
   更にここもすぎるとやがてバス通りに出ます。左角に山田豆腐店がある角を右折、そのままバス通りを進むとやがて金城館という大きなホテルの前に出ます。ここにも小さな橋があります。山田湯はこの川を山手側に100〜200メートル上流にありますが、コンパクトカー以外では徒歩でしかいけない路地裏温泉です。車の方は山手に向かって橋の左側の細道を魚助の角を曲がって入っていき、洋食みのるのすぐ横の更に細い路地を右折します。車はこの裏に止められますので、路地に入れる車ならば大丈夫です。
   徒歩の場合、先の金城館の前の住宅地図に山田湯の場所が載っています。川沿いの道を歩き、橋を渡っていくとより秘湯感が増します。
    
8時から11時と15時半から21時。250円。
上宿新宿共同湯    上記の大湯(案内所でもらえる熱海観光マップ等にのっています)の裏側にある誓欽院というお寺の境内に間借りしている共同湯です。この共同湯ジモじゃないのが不思議なくらいの閉塞感で入り口の扉は一枚扉の引き戸でどう見ても温泉には見えません。中に入ってやっと男女別にそれぞれの入り口がありものすごく小さな看板に共同湯である旨が書いてあります。
    14時半から20時。400円。
清水町共同湯    熱海でも一番にぎやかな清水町商店街からちょっと曲がった所に、これまたひっそりとある共同湯。湯船も洗い場も大人2人でも狭い位で、共同湯と言うより、友人のアパートか何かで部屋付きの風呂に入れてもらってる感じです。近くの商店でお金を払う方式で、共同湯自体は無人です。異色の共同湯。
    
11時半から21時半。
渚湯
2009現在廃止
   飲み屋やレストランが集中する渚町の共同湯。すぐ隣にはガイドブックなどで有名な洋食のスコット(ここは値段が高いですが味は折り紙付き、本当にこれぞ日本の洋食という感じの物が食せます。ただ、支払いが怖い)がありますが、共同湯はそんなことは全く意に関せずです。番台式ですが、人がいるかいないかはファジーな面があります。
駅前温泉    本当は田原湯という名前です。素朴なものすごくちっちゃな共同湯なのですが、なんと500円です。で、当然当研究所未湯です。いつになるやら。
福島屋旅館   駅前から蛇行する急坂のバス通りを下っていった所の坂が終わる直前のカーブにあるのがこの旅館です。町で古老にお話を聞くと多くの方が「松尾さんちの源泉からは良い湯が出る」と教えてくれます。てっきり自家泉かと思いきや、ビルが林立するにぎやかなバス通りにさりげなくこの「福島や」さんがあります。(玄関まで行くと表札に松尾さんと書いてあります。)300円で基本的に朝から夜まで入れますが時間はファジーみたいです。
伊豆山共同浴場
浜浴場
   当研究所にとっては最も訪問が困難だった共同湯。熱海の駅や温泉街から遠く離れた伊豆山の地域にコンパクトカーしか入れない、止められないPしかなく、仕方なくわざわざ1号車で出直して参りました。走り湯見学と共にお勧めの共同湯です。熱海の最もはずれの共同湯。湯河原方面からの場合、湯河原温泉の先で右に行き、左の有料道路に入らないことです。  
    14時半から21時。250円
伊豆山共同浴場
般若院浴場

2005廃止
残念です
  国道の一般道を行くと熱海の海岸に出る前に右に青い道路看板で「七尾」方面という案内が出ます。交番のあるこの角を右折し、急坂をどんどん上がって行きます。途中分岐が何度かありますが、伊豆山神社方面に行き、神社を過ぎたら最終的に左に大きく曲がるカーブにある農協を探します。(進行右)この農協のPに車を置かせていただき(土日と夜はやっていませんので)、そのまま進行方向に歩くと急坂があります。この坂を20メートルも上がれば入り口がわかります。
     2005年12月現在入浴不可




水口第1共同浴
 知らなければこの建物が温泉だとわからないかもしれません。
  中はこの様な浴槽があります。水口町の湯は塩辛いのは言うまでもないですが、熱海で一番苦みを感じます。湯を口に含むとまず苦みが来ます。ただ、之が純粋にミネラルなどの味ならばよいのですが(特にマグネシュームなど)、無臭の消毒薬だったらいやだなとちらと思っています。純粋に天然成分だけであれだけ苦いとしたら、かなり珍しいと思います。
  洗い場が妙に広いユニークな作り。
この様な角の立地です。(下)


山田
  山田湯へのアプロウチ。川沿いを上っていきます。
  途中最初の橋を渡って、対岸へ。
  更にもう一度路地を曲がってその先へ。
この先に山田湯があります。
  ありました。山田湯です。
  山田湯は個人の家と合体した民営の銭湯だったそうですが、今は市からの委託を受け、市営温泉となっているようです。  
  この様に男湯と女湯の入り口の作りが違うというユニークな物となっています。
  湯船です。シャワーも何もない正統的な共同湯。   一番湯でした。


上宿新宿共同浴
赤い欄干の後ろが共同湯です。
   この段階ですでに迷うはずです。二枚ある扉の内、この右側は共同湯の扉ではないのです。
こちらが本命です。
  ここが共同湯とわかるのはこれの存在のみです。
  湯船です。こちら独自源泉と言うことで、盛んに良い源泉なのだと番台さんが自慢しておられました。


清水町共同浴
  この画像だけでどこが共同湯かわかるでしょうか。
  実はここです。
  狭い。扉から奧までを想像してみてください。  


渚湯は2008年廃止されました。残念です。


渚共同浴
  なんか熱海の温泉はどこを写しても共同湯に見えません。こんな生活にとけ込んだ場がこの様な大きな温泉地でしかも東京の近くに生き残っている。それだけでも熱海温泉の素晴らしさが伝わろうというものです。
  ここはこのドアなんですね。
  ここは奥行きが縦に異様に長い、ウナギの寝床状態です。
   湯船はちっちゃいのに、洗い場だけが横に長〜〜い。



     湯船です。

伊豆山共同浴場  浜浴
   浜浴場は車がびゅんびゅん通っている国道沿いにありますので、訪問には本当に苦労します。    建物の左側の階段を見てくださいこれだけの段差ですから、この裏手のPに車を持ってくるのも一苦労で、当研究所の移動研究室はまず持って無理です。
  ついでにこの急な階段を延々と下りると走り湯源泉に出ます。    この奧は煮えたぎる湯がボコボコ湧いていて、中は音が反響し怖いくらいです。ちなみに一番奥は湿度100パーセントで普通ではカメラに写りません。


伊豆山共同浴場  般若院浴
残念ですがこの浴場は廃止されました。
   般若院浴場です。金曜の晩に旨くタイミングが合うと最後の入浴に間に合います。21時30分なり。   般若院浴場は独自源泉で、源泉は湯小屋のすぐ横にあり、湯量豊富なため、周囲の別荘地などにも湯を売っているそうです。
  中は生活臭に溢れており、近くの小学校の画がはってあります。左は上がり湯です。熱海の湯は基本的に湯上がり後べたつくという人がいますが、共同湯で上がり湯があるのはここだけだと思います。
 何度来てもここは良いです。
 この時間がファジーです。
明るい時間帯の湯浴みも格別です。 美しい。

嗚呼、般若院浴場よ!何時までも記憶の中に生き続けてくれ。



温文研ホームへ エリア別リストへ



inserted by FC2 system