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菊の湯



山中温泉 総湯・菊の湯
  石川県の加賀市と小松市にまたがる加賀温泉郷と呼ばれる4つの温泉地がある。山中・山代・粟津・片山津の各温泉だ。このうち最初の三つはその歴史を奈良時代にまで遡ることができるという温泉王国日本が世界に誇る「千年温泉」でもある。
  山中温泉はその中で、奈良時代に僧・行基によって湯が発見されたと伝わっている。その後400年ほど経ち、平安時代の終わり、今度は鎌倉武士の長谷部信連がこの地に館を築かせ、それが山中温泉の旅館の始まりであるというのが、この温泉の始まりのあらましだそうだ。
  その様な古い歴史に裏打ちされた共同湯菊の湯はそれに恥じない威厳と地域にとけ込んだ生活温泉ぶりとを併せ持ったすばらしい温泉であった。まず、到着した際、その外観に圧倒される。木造でないのが少しだけ残念であるが、それでも十分に魅力的な浴舎は荘厳な作りで、湯気抜きも上手に配され、温泉ファンの心をくすぐる。ここでユニークなのは男湯と女湯でそれぞれ専用の浴舎があることだ。なんと贅沢なことであろう。ところで、もうお気づきのことと思うが、当研究所が今描写しているのは男湯の浴舎である。女性はこの話をそのまま持ち込んでも全く話がかみ合わないことと思うので、予めご了承願いたい。
  さて、番台を入ると左右に入り口がある。ここで共同湯に行きなれている方は逆にとまどうことであろう。すなわちどちらが女湯であるか逡巡してしまうと言うことだ。当研究所も今まで焦りや湯疲れから悪意はなく女湯に立ち入ってしまったことがある。しかし、ここではどちらをあけても同じ場所に出る。男湯の浴舎だからだ。
  脱衣所はうってかわって手作り感がいっぱいの場所となる。地元の小学生が制作したという蒔絵細工が脱衣棚一つ一つ全てにビルトインしているからだ。しかし、天井は高く、また天井の作りも全体の作りも外観の荘厳さをサポートするべく気分を盛り上げる。
  そして浴室に足を踏み入れると興奮は最高潮に達する。大きな湯船に存在感のある柱が中央に一本鎮座し、高い天井と相まって、非常に落ち着いたゆったりとした気分にさせてもらえるからだ。やや湯面から塩素が香る事を気にする向きがあるかもしれないが、温泉の評価はあくまでも総合的なもので行わないと気の毒な気もする。なぜなら、消毒薬を入れているのは少なくともすすんで行っている施設の方が少ない(昔から湯をそのまま使っていて何も問題がなかった施設はよけいなことをすれば、そのほうが経費がかかるはずである)と推測するからである。
  そんなわけで、当研究所は共同湯文化を研究する一人として、この共同湯は高く高く評価する。
利用時間=6:45〜22:30   利用料金=420円


今旅の最高傑作画像の1枚。やはり当研究所は共同湯画像が美しくないと。
2008年8月訪門しました。
  この上下4枚は男湯外観です。 この上下4枚は男湯外観です。
  この上下2枚は女湯外観です。女湯の方がやや小ぶり   女湯の敷地前にある足湯兼飲泉場。上下。
  改めまして男湯です。   入り口の前には、下のような湯を祀った場所があり・・・。
  看板。   この湯を祀った場所の前には・・・・。
  この様に温泉卵の茹で場があります。   左は温泉卵の湯が流れる場所。右は飲泉場。
  入り口。中には立派な番台さんが。   番台さん。中のおかあさんは菊の湯を大変誇りにしていました。


  番台左横の下足場。見事な作りです。   番台右横の扉。どっちも同じ場所に出ます。
脱衣所。天井も脱衣棚も全てに意匠があります。     脱衣棚にビルトインされた蒔絵。
  こんな感じ。   全部目を通しましたが、この「金色のうさぎ」が一番印象に残りました。
  中央の脱衣だな以外全てに蒔絵が。   天井も一枚一枚意匠が。
  ここ菊の湯は一般の方も購入可能な定期券が販売されていました。正直相当安いものです。   やっと内部。天井の高さが目を引きます。
  内部は広々。浴槽は起立して腰の深さ。   私が最高のシャッターチャンスに恵まれたのですが、ちょっとピンぼけ(笑)。




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