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熱塩温泉

   JR喜多方駅から国道121号を米沢方面に進んだ途中にある熱塩温泉。残念ながら快適なバイパスである121号はまだ全通しておりませんが、この温泉から米沢への道は非常に快適で喜多方から熱塩に寄り、峠を越えて小野川温泉の2つの共同湯に寄って米沢で観光というのは当研究所にとってゴールデンコースです。小野川は山形県で紹介しますが、ここもまた全国に誇る共同湯があります。更に米沢はグルメと歴史の町で「町の中心部」は移動研究室で車中泊するのにも優れています。米沢ラーメンは密かなブームとなっており、今や喜多方より上かもしれません。(どこも安くしかもおいしい。昔の喜多方のように全てのお店で当たりはずれが無いのです)
    話が逸れましたが、その喜多方ラーメンと言えば、熱塩温泉の温泉街にも喜多方ラーメン会加入のラーメンや「ほまれ食堂」があります。実は熱塩温泉は「熱塩加納村」という自治体にあったのですが、この度合併によりここも喜多方市となって晴れて名実ともに喜多方ラーメンとなったようです。


共同湯
熱塩温泉共同浴場   本当に知名度がない温泉(共同湯)です。宿泊施設も何軒か少なからずあるのに、雑誌などメディアに紹介されることはほとんどないと思われる熱塩温泉です。(たまに紹介されてもこの温泉街とは別の場所にある一軒宿の有名巨大旅館が紹介されます)しかしこの共同湯は素晴らしい風情で、浴舎の中は一応男女別ですが、更衣室はなんと混浴(男女共用)な上、浴室の男女のしきりが胸の高さくらいしかなく、また扉の内部でも一部つながっていて、空いていれば男湯でも女湯でも空いている方に貸し切り風に入浴するという実にあっけらかんとした作りとなっています。料金は共同湯の裏のお店(叶商店)で払い、そのお店の前がPになっています。この共同湯一度お金を払えばその日の日付の中ならば、浴場の外に出ても、その後何度入浴し直しても良いと言うことになっているらしく、当研究所の移動研究室のためにある様な温泉です。湯は「熱塩」の名前らしく、文字通り「熱くてしょっぱい」もので、塩分はかなり濃く、湯上がりは海水浴の後のようにべたつき、その分短時間の入浴でも非常に暖まります。
  9時から16時。200円。男女別。


熱塩温泉共同浴場・下の湯
  一温泉地につき、一つくらいは必ずこのレベルの共同湯があると湯巡りは遙かに楽しいものになるとおもうのですが。

  それほどなにげなく存在するのにハイレベルな共同湯です。

  ちなみに温泉バカは「下の湯」というと上の湯もあるのかと考えてしまいますが、実際上の湯は示現寺の階段下の足湯が有った場所に昔あったそうですが、かなり昔に廃止されたそうです。


  扉を開け中にはいるとそこは更衣室では混浴ですが、なぜか一旦浴室にはいると男湯と女湯がつながった後中途半端な高さで仕切られます。この様に普通に入っていっても、女湯がほぼ7割方視界に入ってしまうのです。
  この様に真ん中に立つと何のためのついたてなのか、更に疑問となります。
  源泉はここに溜まります。塩化土類泉とありました。60度くらいだったと思います。


再訪しました・・・H18・GW
  以前と全く変わらない姿に安心し又、感動しました。
  真昼の下の湯。この温泉は非常にユニークな営業時間を採用しており、朝9時から16時まで入浴可能。16時以降は組合員専用となっています。
  これだけ見たら別府の共同湯を即連想する方が多いであろう湯気抜き。特にこの青ペンキの木造は亀川に多いパタ〜ンです。
  この通り夕方16時までしか入れません。200円は共同湯裏手の「叶商店」へ。叶商店が閉まっているとすなわち入浴不可と考えて良いです。
  混浴の脱衣所(左)と靴箱(右)。男性はエチケットとして扉を軽く開け、「男入ります」と声をかける、又女性もこの靴箱の影で服を脱ぐを心がけた方が良いかも知れません。当研究所久しぶりに行き、奥さんと一緒だったせいもありますが、2回も女性の更衣シーンを目の当たりにしてしまいました。(あの時の方すみませぬ〜)
脱衣所。
  浴室入り口。この扉を開けると・・・。
  このように内部でつながっています。基本は右が女湯ですが、昼間は地元の方もほとんど来ず、観光客ばかりらしく、グループの場合空いていればそれぞれの湯舟を貸し切り風に使用しているようでした。
  上:一応男湯。フラッシュのせいでやや金気色をしていますが、下の女湯の画像の色の方が正しいです。右の源泉枡の木の棒を引き抜くと70度の塩湯が勢いよく注がれます。   下:一応女湯。この日はこちらの方がぬる湯風になっていて、長湯出来ました。
  上:男女のしきり。立ち上がるとお互いの顔が完全に見えます。これは東北ではここと青根温泉大湯にしかなかったのですが、H18年3月を以て青根温泉の古くからの共同湯は全て廃止されました。   下:壁の湯気抜きと天井の湯気抜き。
  上:昼下がり。温度も適温ややぬるめ。のんびり浸かりました。女湯。   下:夜間帯に足湯の見学に行き、地元の方に運良く招き入れてもらいました。


足湯
  数年ぶりに再訪したら足湯が出来ていました。地元の方に聞いたら、この裏が源泉で、源泉付近に昔「上ノ湯」があったそうです。
  なんと室町時代からの歴史があるのですね。
  この板壁の裏が源泉らしいです。
  足湯は夜8時でもやっていました。


     下:示現寺下のP。移動研究室の右が料金を支払う「叶商店」です。


おまけ
  今回、熱塩温泉の周囲で随分色々な発見がありました。まず、鉄路ファン以外には何の感慨もないと思いますが、国鉄時代の赤字ローカル線のトップを切って廃止された代表格、日中泉の駅がそのまま保存されているのに気が付きました。   近くの渓流で本当に新緑と瀬が美しい場所を見つけました。こちら国道沿いでしかもちゃんとPがついています。なぜこんなにいい場所に人が余り居ないのか不思議でした。
  下:日中線の熱塩駅。
  旧式客車が保存されていました。
  新緑の渓流。雪解け水の轟々たる様が見事でした。   川の右岸は桜並木なのですが、これ以上右にずらすと左が切れてしまうので、なかなか難しいです。

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