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湯ノ花温泉
  湯ノ花温泉は栃木県と福島県の県境付近にある静かな静かな温泉地です。会津の中でも最南端に位置する「南会津町」にあるこの温泉は、奥会津との関係性から言うとどちらかといえば、アプローチの途中にあると言え、関東の方ならば奥会津との往復の際にはおおむね行き、または帰りに必ずその横を通過する・・・という様な立地条件にあります。日本人が日本の山里に対して持つ理想的な姿をそのまま「リアル」な世界に出現させたような温泉街は自然の“風の音・葉がそよぐ音・渓流の音・鳥の声”などなど自然の音以外はほとんど耳に入ってこないような「桃源郷」とも言える場所となっています。四季折々に新緑・高原のさわやかな風・紅葉・雪景色と視覚にも聴覚にも触覚にも訴えてくるこの温泉の魅力は訪問する方をとらえて放しません。
  そんな静かな温泉地・湯ノ花温泉ですが、なんと贅沢にもすべて性格の異なる4軒もの極上共同湯がひっそりと建っているのです。それぞれの共同湯の細かな説明は次の項に譲りますが、人気のない山里の川沿いに立地する“天神湯”や“石湯”は全国的に見てもかなりハイレベルなすばらしい共同湯であり、残る2軒の湯も十分なレベルなのですが、それらが色あせて見えてしまうほど、すばらしい佇まいを見せています。どうか当研究所をご覧の皆さん、実際に現地に足を運び、体感してみてください。「こんな温泉があったのか」という新しい発見により、気分の高揚は押さえられないことでしょう!

お食事どころ 料金表 共同湯 天神湯 石湯 弘法湯 湯端の湯

2008GW再訪しました。新緑がまぶしい石湯。

  2008年4月より料金の支払い方法が変わりました。今まで湯小屋ごとに料金箱があり、1軒入浴するごとに200円投入していましたが、改訂後は『1軒入っても2軒入っても4軒全て入浴しても200円』というルールになりました。また、現金入浴は禁止され、温泉街の中に点在する商店や旅館で入浴券を買い求めて、その入浴券を「定期券」の様に使用して各施設を周ります。なお、複数の施設に入浴希望の方は購入した入浴券を各施設の回収箱に入れず持ち歩いてください。そして最終的に湯ノ花温泉を立ち去るときには必ず回収箱に入れるかもしくは処分するかしてください。各施設にも言明してありますが、「入浴券は再利用はできません」「入浴券は人数分買い求めてください」、記念に持ち帰る等という方は善意を逆手にとった様な行動は厳に慎みましょう。なお、日帰りの方は天神湯横の星酒店がわかりやすいです。

同じくGWの頃の湯端の湯前の渓谷。雪解け水がさわやか。

今回初めて満開の桜が迎えてくれた。GWの訪問は4〜5回を数えるが記憶にないことだった。

桜色に彩られた湯端の湯

  天神湯からわずかに上流にさかのぼったポイントの渓谷。随所に甌穴が見られ、湯ノ花温泉でも1・2を誇る景観である。

新緑の天神湯

同じくGWの頃の天神湯前の渓谷。雪解け水がさわやか。(2003.05)

同、紅葉の頃の天神湯前の渓谷。中州にひときわ目を引く真っ赤な葉が付く

美しい

俗に使用される“山が燃えている”という表現を体感できる奥会津の秋

2004.10.

息をのむ光景だ

同じく2004年訪問時の秋の石湯。

GWと同じ場所とは思えない

錦とはこのような光景を言うのか?

石湯前の橋


早春〜新緑の頃の湯ノ花温泉
  2006年の石湯。   2007年の石湯。
  2006年の湯端の湯前付近。   2006年の春の石湯。
  2007年の3月頃。この年は雪解けが早かった。   同じく3がつころ。雪が溶け、若葉が芽吹く寸前。
  3月の天神湯。   3月の石湯。
  3月の石湯。   5月。


早春の頃の湯ノ花温泉。
  雪解けが早かった年の石湯。   雪が残っている年の湯端の湯前。
  同じく雪解け中の湯端の湯前。    雪解けが早かった年の石湯。
  雪解け中の石湯。3月上旬。   雪が一番残っていた年の湯端の湯。
  同雪が残っていた天神湯。   上とは違う年の雪が一番残っていた年の天神湯。初めて降雪に見舞われた。
  いつもPさせていただく場所。   3月下旬の天神湯。
  3月にも3〜4回訪問しているが、路面に雪が残っていたことはない。   心霊写真?(笑)。おわかりだろうか。中央に人がいるのが。この人はだれでしょう?
  早春の湯端の湯。   最も気温が下がったときの湯端の湯横。滝が凍っていた。


湯ノ花温泉の歩き方
  湯ノ花温泉には特定のPがありません。が、基本的に恐ろしくのんびりしたところなので邪魔にならないように路駐すればそんなに地元の方に迷惑をおかけするというわけでもありません。天神湯のある広場(実際は道が広くなっているだけですが)はPしやすく、湯端の湯の手前も路駐可、また石湯も周囲に路駐可能な場所があります。


湯上がりそば
  弘法の湯の前にあります、いせやさんです。やや値段がお高めですが、そばの香りはすばらしく良く、大ざるを豪快に食してください。   丁度新そばの出始めた季節に行きました。そばの皮がたっぷり入った薫り高いしゃっきり細麺です。
  おそばは大盛りで1200円(小鉢一品付き)。   そのほかに天ぷら盛り合わせも頼みました。

お食事処
  おそばは他の地ですでに食していたので、今回は方向を変えて、福島のご当地らしく「喜多方ラーメンの“北国”」さんにお邪魔しました。   同行のMDさんが注文した焼きめし。なんと500円。
  なかなかボリュームもあり、コストパフォーマンスの高さが光りました。   主任研究員Aは諸事情から「チャーシュー麺」を所望。750円。こちらもなかなかのお値打ち品。
  喜多方ラーメンらしく、いわゆる“肉そば”風の外観でした。ちなみに同行のQ氏は普通のラーメンを頼み、そちらにもチャーシュー3枚も入っていて、むしろラーメン大盛りの方が幸せだったかも?(大盛りは150円増し)   味はかなりさっぱりとした醤油もきつくない軽やかな味。麺とつゆとのバランスが光る一品でした。


  2008年4月より料金の支払い方法が変わりました。今まで湯小屋ごとに料金箱があり、1軒入浴するごとに200円投入していましたが、改訂後は『1軒入っても2軒入っても4軒全て入浴しても200円』というルールになりました。また、現金入浴は禁止され、温泉街の中に点在する商店や旅館で入浴券を買い求めて、その入浴券を「定期券」の様に使用して各施設を周ります。なお、複数の施設に入浴希望の方は購入した入浴券を各施設の回収箱に入れず持ち歩いてください。そして最終的に湯ノ花温泉を立ち去るときには必ず回収箱に入れるかもしくは処分するかしてください。各施設にも言明してありますが、「入浴券は再利用はできません」「入浴券は人数分買い求めてください」、記念に持ち帰る等という方は善意を逆手にとった様な行動は厳に慎みましょう。なお、日帰りの方は天神湯横の星酒店がわかりやすいです。


湯ノ花温泉  共同湯
天神湯   天神湯は国道から湯ノ花温泉の看板を目印に曲がってくると最初の温泉街を抜けきって住宅域がとぎれた場所にある大きな橋のたもとにあります。窓外には美しい渓流が望め、小さな湯船に身を沈めれば、湯は常にチャポチャポ注がれていて、落ち着くことこの上ありません。なお、天神湯は毎日必ず朝8時頃(時間は日によってまちまち)清掃が入ります。湯を抜いて貯めなおしますので、8〜12時頃の時間帯は運が悪いと入浴できませんのでご注意を。
     5時から22時。200円。混浴。 
石湯   石湯は石湯旅館の裏の川沿いの歩道を行ったところにあります。石湯旅館の案内の看板に従って右折するとすぐに橋にさしかかりますが、この橋の上から上流を見るとそこに湯小屋が見えます。この温泉湯小屋の下の巨大な岩盤の下に湯だまりがあるらしく、扉を開けてそこに見える範囲の自然の岩肌は素足だとかなり暖かく感じられ、天然の床暖房です。湯口は2カ所どちらも独自源泉で、更に時折湯底からも気泡が上がり、足下自噴であることも実感させてくれます。
     時間不定(もしかしたら24Hかも)。200円。混浴。
弘法の湯    先ほどの天神湯の橋から100メートルほど戻った場所にある弘法の湯。きちんと体を洗ったり、頭を洗ったりしてさっぱりしたり、設備の整った共同湯がよい場合はこちらがお勧めです。水洗トイレもあり、シャワーが2基、明るく広い浴槽にお湯がたっぷりとあります。
     5時から22時。200円。男女別。
湯端の湯    先ほどの天神湯の橋で左折し300メートルほどいった所にまた橋があります。ここが湯端の湯です。この湯端の湯は浴槽のみの共同湯ですが、湯船が最大でとにかく湯量が多く感じる共同湯です。また、全国的にも非常に珍しい、内部に地域住民専用の浴室がある構造となっており、この方式なら建物が一緒なので、比較的簡単に外部の人間の無断入浴を防げると思います。(いくらジモに興味があっても、同じ湯が似たような感じの浴槽に注がれていれば、住民専用の浴室にまでは入っていかないと思います)
     5時から22時。200円。男女別。



2008GW再訪しました。
天神湯
  美しき渓流またぐ橋のたもとにこの美しき共同湯はあります。   今回は2度目の温文研オフミでした。
  見直された料金システム。入浴券を後から買う(つまり無銭入浴が発覚したら)人は1000円となります。事前に購入すれば200円。   何一つ変化のない湯船。丁度12時でした。湯がたまる寸前。
  天神湯は独自源泉で原則は加水なしなので、季節にもよりますが、そのままでは熱い(入れない日もあり)事が多いです。この日は水道の水が氷の様に冷たかったのでほとんど水は出ないのですが、それでも加水の効果がありました。   味はかなりさっぱりとした無味無臭です。ほんのわずか、硫黄やアブラ臭を関知できる・・・・という人もいます。
  混浴で湯船は一つだけ。   脱衣所も一緒。
  なんと同行のQ氏・D氏ともこの天神湯は初めてという。   意外なお話でした。

2004年10月訪問時
   橋のたもとにちょこんとたてられた天神湯です。眼下に美しい清流を見晴らします。だいたい朝8時から12時頃まで清掃と湯ためで入浴できないことが多いです。
共同湯直下の渓流です。
橋の反対側より。新緑の頃。 橋の反対側より。秋真っ盛り。
  湯船と湯口です。単純泉60度とありますが、塩化物泉に近いのではないかと感じています。この鉄管は当研究所が5年前に初めてこの地を訪問したときには新品でぴかぴかでした。


2006年GWに再訪しました。
 何も変わっていない姿に再感動しました。   やはりここは良いです。
 この温泉は自家源泉ですが成分表には単純泉とあります。基本的に加水も無くそのまま掛け流しにみえますがとにかくよく暖まり、そのままぽかぽかが持続します。   下の画像は温泉バカです。ここは・・・・おわかりですね。洗濯湯です。



石湯



  泉源が巨大な石の下にあるから「石湯」なのか、湯船が巨大な石に見守られているから「石湯」なのかよくわかりませんが、泉源はどうやら石の下と言うよりも湯小屋の下全体に広がっているようで、入り口で靴を脱ぎ、洗い場の石に踏み入れたとたん足裏が温かいのに気づきます。   この石は神様が宿るらしく、集落内で赤ちゃんが生まれると必ず、その名前を書いた布を奉納するようです。
  石はこんな感じで湯小屋内に突き出ています。   右端にわずか見えているのが下駄箱。
  石を外側から見るとこんな感じ。   脱衣所から石方向。
  入り口方向。   このついたての裏は洗濯湯になっています。
A   泉源の一つ。
  湯底は天然の岩盤をあちこちコンクリで固めた感じです。   瑠璃色に光る岩盤が美しいです。
  この洗濯湯は今でも活きています。   このようにたらいも常備され、私は2度ほど地元の洗濯中のお母さんとご一緒したことがあります。
  屋根裏。   湯底のコンクリ。
  石湯は光量不足によりなかなか上手に入浴画像が撮れません。   でもあまりフラッシュは使いたくないのですよね。

  3月の石湯です。雪解けは早くに進み、路面には全く影響がなく、快適にここまでこれました。中央やや上の茶色の湯小屋が石湯です。
  この川は地元の人の人に言わせるとあまり氾濫しないのだそうです。このような環境にあっても大水の影響を受けないと言うのは山が昔からの力を失っていないと言う事でしょうか。
  草が枯れ、命が芽吹く季節の寸前です。
  この大石故、石湯と呼称されます。この岩は内部にも干渉していて、手前の板壁は岩の形に穴が空いています。

  今年は天候がおかしかったのが幸いしたのか、紅葉はひときわ色鮮やかだった気がします。この様におまけが付くと湯浴みは一層心に刻まれます。
石湯のシンボル、石です。見事に鎮座まします。
この上は神様がまつられていて、赤ちゃんが生
まれると名前を書いて奉納する習慣があるようです。
この日は平成16年6月生まれの「日向」ちゃん
の名前が書かれていました。
  脱衣所です。混浴なのですが、どちらが男というのはないみたいです。二日間で2度入りましたが、初日は千葉県からいらしたご夫婦と、二日目は地元のおかあさんと一緒でした。
  湯口は3カ所以上有り、上の塩ビ管から、右の岩の割れ目から、そして湯底のあちこちからたま〜〜に気泡が上がってきます。貴重な足下自噴泉でもあるわけです。




湯端の湯

   上:新緑が目にまぶしい、湯端の湯です。湯ノ花温泉の渓流は非常に美しく四季折々にいつ来ても楽しめます。



   右;一般の男性用浴室です。



   下:紅葉の季節の湯端の湯です。
  非常にユニークなシステムの住民用の浴室です。建物ごと立っているとどうしても中を知りたくなりますが、この方式なら鍵がなくても大丈夫なような気がします。
住民用の浴槽です。こぢんまりしたものでした。
2007年3月訪問時(鬼が島ツア〜ズ)
  石湯前の河原にいた御仁わかりましたか?   そう燃える男、赤鬼隊長だったのでした。


弘法の湯
  十分にレベルが高い湯ですが、ここ湯ノ花だと平凡に感じてしまう、弘法の湯です。
  立て直したばかりで非常に新しく、シャワーも完備されているので、一般観光客向けです。この広間はテーブル兼ベンチ付きですので、雨天時はもちろん、軽い食事をとるときなども便利そうです。(ただ、以前ご夫婦でここでカセットコンロで煮炊きをしている方がいました。木造ですし、普通休憩室付きの温泉でも室内で調理はしないと思うのですが、無茶するなあと見ていたことがあり、それはちょっぴり残念でした)
  以前は天神湯みたいな小さな湯小屋で、石湯のように鄙びた浴舎でした。
湯船です。湯船が大きく気持ちいいです。


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