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杣(そま)温泉 | ||
実に久しぶりに秋田県の湯巡りをしました。平成の大合併を終えた秋田県の自治体は「北秋田市」を始め「大仙市」「仙北市」「由利本荘市」など聞き慣れない名前が縦断しており、車で走っていてもどこにいるのかさっぱりわからなくなってしまいました。 そんな中再訪した「秋田内陸縦貫鉄道」に沿う国道105号を巡る旅。北はかつての国鉄阿仁合線沿いのエリアで山深く、旅好きの方には「またぎの里」としても知られています。そんなエリアには数は多くないですが、珠玉の温泉が眠っておりました。正直当研究所このエリアを少々侮っていたようで、今回訪問した場所はどれも掛け値なしに当研究所のスタンダードを超えるものでした。 分けても最大の感動を味わった場所、それがこのレポでご紹介する「そま(杣)温泉」です。そま温泉は秋田内陸縦貫鉄道の駅舎に付随する名物温泉「クウィンス森吉」付近から県道309号にて20qほど山中に分け入った場所にある温泉で、一軒宿です。清冽な川の流れをぐんぐんとさかのぼっていくとその行き止まりにあるこの温泉は、湯がなんと言ってもすばらしい温泉でした。適温の湯は大きな露天風呂であっても「卵臭」がぷんぷんと漂い、卵臭がお好きな方ならもうこの時点でノックアウトです。そんなすばらしい湯が露天ではざあざあと掛け流され、渓流に落ちていきます。湯船の湯の色は日の光に美しく輝き、わくわくどきどき、温泉ファンの気持ちを揺さぶります。更に露天は小さな沢の合流点にあり、沢音に耳を澄ますとその中に「滝の音?」とおぼしきものも混じります。そして湯船の最奥まで進むと視界に入るまるで日光の竜頭の滝のミニチュアのような「美しい沢」。水が次々と河床を洗う様にうっとりします。折しも雪解けの時期と重なり恐らく川の水は増量していたものと思われますが、とにかく川好きな方、温泉好きな方には是非とも入っていただきたい露天風呂です。(但し雪が降っている間はお休みらしいです。要確認)。 更に館内におじゃますると内風呂も湯が常に洗い場を洗っていました。内風呂の木の椅子に温泉マークがあったのが印象的でした。ご主人とひとしきりお話しさせていただきましたが、そのお人柄がしのばれる方で、一温泉ファンとして最大級の讃辞を送ったつもりですが、非常にうれしそうにお話を聞いてくださったのがまた思い出となりました。 |
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〒018-4511秋田県北秋田市森吉Tel:0186-76-2311 日帰り:400円(7:00〜20:00) 宿泊:9600円 |
2010年4月訪問しました。
県道を走行していると最終的に更に脇道に入ることになります。 | この先に目指す温泉があります。マップではそこで行き止まりの表示となっています。 |
途中は行き違いもままならない道でした。オンシーズンだったらと思うとちょっと冷や汗が・・・(笑)。 | つきました。橋を渡って玄関に向かいますが、この川がきれいなこと。やはり私は海より山がいいです。 |
橋の上から上流。 | 看板脇には天然のミネラルウォーター。温泉と並ぶ地球の恵みです。 |
橋から下流方向。この段階で露天の施設が目に入ります。 | 露天へ行く道はかろうじて確保されていました。聞けば露天の冬期閉鎖を解いてからまだ数日しかたっていないとのこと。良かった〜〜。 |
温泉犬がいました。この仔がまあ、かわいく賢いこと。 | たまたま、ご近所さんも見えられました。黄色い長靴がご主人です。余談ですが、ご主人の名字が「杣(そま)」さんなので杣温泉みたいです。 |
露天は混浴です。この時期は脱衣所も兼用という筋金入り。 | このダイナミックな景観。美しい。 |
そして振り返ったところ。このよしずは混浴故・・と思っていましたが、実は大きな理由があったのです。(笑)。 | 湯口。美しい湯が流しっぱなし。 |
改めて露天に接近。またまた美しい。 | 下流方向。湯船のすぐ外側が一段高くなっていますが、この陰がまた渓流なのです。 |
こちら沢の合流点。露天はこの三角形の土地にせり出すような立地にのっています。 | 段差の陰はこんな感じ。 |
久しぶりに「撮影会」を堪能しました。まっぱであっちこっちうろうろ。ご主人は笑って流してくださいましたが、怪しかったろうなあ。 | うふふ。よしずの裏側。秘密がわかりましたか?渓流に突き出す足湯への通路になっていたのです。 |
日光の竜頭の滝のようになっている山側の渓流。 | そして、よしずの上に見える山の反対側の斜面。 |
小一時間ほど経過し、きりがないので内湯へ。 | 内湯も風情のある湯小屋でした。湯気抜きの存在が泣かせます。 |
宿の玄関はいったところ。 | いかにも湯治宿的な雰囲気で、好感しました。 |
ご主人のお人柄がしのばれる正直さ。思えば、到着時からずっと“きつつきのドラミング”が聞こえていましたが、前日の秋田鶴の湯から秋田県内ではずっと聞こえていた気がしてもう慣れてしまっていたのかもしれません。 | 確かにクマゲラの剥製です。 |
湯小屋の入り口にはお社がありました。 | 中は宿の二階とつながっているようでした。 |
改めて自販機前より、改札方面。 | 出札窓口。温泉のフロントの方が1時間置きにやってきて乗車券の販売などを行っていました。ダイヤはほぼ1時間ヘッドで、上り下りともきれいにこの駅ですれ違うようです。 |
源泉は54度ほど。冬は溶雪にも使うそうです。 | 湯気抜き方向。湯口はライオン。ちゃんと飲泉の許可もあるそうです。 |
内湯です。 | 卵臭の湯がたっぷり。 |
振り返って脱衣所方向。 | シャワーのあるからんとないからんがありました。 |
洗い場も使いやすそうでした。 | 必ず行う儀式。 |
ふと目をやると椅子が木製でした。そして・・・。 | なんと温泉マークの焼き印つき。いいですぞこれは。 |
椅子の具合を確かめてもう一枚。もういいですか? | 湯口のライオン。 |
う〜むこれは何が撮りたかったのか(笑)。 | 脱衣所。 |
おまけ:秋田内陸縦貫鉄道 | |
早春のこの時期。改めてこの路線を見つめてみました。 | 周囲は魅力的な自然に囲まれ、あちこちにうっとりするような無人駅がありました。 |
そんな中、たまたま立ち寄ったこの荒瀬駅。 | まあ、なんとのんびりしているのでしょう。特に当研究所の場合 |
この様に駅舎まで移動研究室で乗り付けられる駅というのは沿う多くはありません。 | そして、この様な空間に身を置き、ホームにたち、ドリンクを飲み、時には昼寝。 |
駅舎の内部は地元の人の気持ちがあふれていました。 | 何をとっても魅力的な鉄道でした。 |
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