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金浦町温泉  はまなす
  象潟町、仁賀保町、と北上してくると次に「金浦町」にでます。「このうらちょう」とよみます。現地に行くとJRの駅などもあり、象潟・仁賀保・金浦(このうら)の3つの町はそれぞれ独立した町に見えるかもしれませんが、3町は合併して「にかほ市」となりました。
  はまなすは町営(公営)の施設です。公衆浴場としての顔と宿泊施設としての顔の2つを持っています。ちなみに当研究所平日に訪問しましたが、宿泊者は驚くほどの数いらっしゃいました。(お盆の直後の時期)中を覗きましたら、素泊まりは4500円ほど、2食付きで8千円弱でした。料理は貼ってあった写真の物に誇張が無ければかなりいい感じでしたので、宿泊もお勧めだと思います。
  はまなすは温泉としても大変ハイレベルです。これだけの温泉に好きなだけ入れて、食事も良くて8千円を超えないなら、かなり上等でしょう。で、肝心の湯はというとなんとこの施設
専用の独自源泉を3本使用しており、この3本が又見事にくっきりとした個性を見て取れるのです。まず『1本目』の源泉は「52.4度の強塩泉」で「コールタールのようなアブラ臭」。『2本目』は「43.6度の強塩泉」で「アンモニア臭とアブラ臭」、『3本目』は「43.1度の強塩泉」で「香りは弱い」というものです。浴感は3本の源泉とも、「海水に浸かったような体全体にまとわりつくような粘っこさ」を感じます。色は内湯は「琥珀色」、露天は「山吹色」で、そこに日の光が差し込むと本当に黄金を液体にしたような得も言われぬ美しさを醸します。之に加えて、源泉は3本をブレンドせず、それぞれ独自に味わえ(だからこそ当研究所、源泉ごとの香りの解説が出来たわけです。)、また浴槽ごとに注がれる源泉の投入量は爆流のようで、洗い場を漣のような模様を描いて湯がオーバーフローしていきます。ここは本当にお勧めです。国道7号を通過する時には必ず寄ることをお勧めします。


  国道沿いに大きなヘルスセンターのような面もちで建つ“はまなす”は、東京で言えば健康ランドのイメージで、とても中の個性源泉を思い浮かべることは出来ません。
  成分表。中に誇らしげに3本とも説明してあります。特に打たせはすごいです。アブラ臭の湯で打たせ。湯は通常よりも多く揮発しているので香りが爆発します。
  2号源泉は露天に投入。屋外なのにはっきりとアブラ臭がします。
  3号は本当に香りの関知が出来ませんでした。


  上:この温泉の塩分の濃さを物語るあわあわ。決して洗剤を入れてる訳ではありません。これは「うたせ」です。腰掛けに湯が当たると周囲に跳ねすぎるので洗面器を置いてあるわけですが、湯の粘っこさ故に「泡立てたように」なってしまうのです。この周囲はアブラとコールタールでアスファルトの工事現場のようです。嘗めれば海水より辛いかも?   下:内湯。左の浴槽と右の浴槽は投入源泉が違います。確か3号泉が一番つかみにくい投入のされ方をしていた気がします。右の湯舟の一番右手が水面が穏やかで、オーバーフローが縁を平均に乗り越えて居て美しいです。(早朝のため、中は湯気で寄れませんでした)
  上:ちょっとわかりにくいですが、この温泉は内湯にもデッキチェアが置いてあり、アル意味、こんな温泉で合法的に「トド」ができます。   下:この施設の中で湯が最も美しい色を見せるのがこの露天です。美しい八角形の湯舟に2号源泉が満ちます。
  美しい。通常はこのようにやや黒系も入った山吹色ですが、日が差し込むと文字通り輝くような金色になります。まるで黄金をそのまま液体にしたらこんな感じなのだろうなと思わせます。
  露天の周囲は砂地の地形でそこは美しい松林になっています。すこし枯れた感じがコントラストを一層豊かにします。
  美しい花が咲いていました。それを見上げる「トドじい」が実に風流人に見えました。
  前夜の悪天候が嘘のように晴れ渡り、夏の青空となった朝です。
  小さな男の子がお父さんに教えられて湯に入っていました。




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