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ポルダー潟の湯
サンルーラル大潟



大潟温泉
  大潟村というと私たちの世代は必ず「日本のアメリカ型の大規模農業のパイオニアの町」というイメージを持つと思います。私が小学校6年生のときが一番教科書などでも華やかに取り上げられた頃なのではないでしょうか。大潟村の敷地面積のほとんどは当時琵琶湖に次ぐ日本第2位の面積を持つ湖「八郎潟」を干拓して生まれたもので、その全く新しく生まれた農地をゼロから初めて大規模の農業にチャレンジしようというプロジェクトだったと思います。ちなみに「干拓」とは埋め立てと異なり、全体に浅い場所に対して、水を全部汲み出して内部を乾かして土地利用を行うという物で、世界的にはオランダが有名です。しかし皆さんご承知の通り、その後の日本の米政策は、次々と減反・減反に傾き、最後は本家アメリカなどから米の輸入自由化という問題にまで行き着き、かつての失われた「八郎潟」への思いもむなしく、大潟村の広大な土地は新しい生き方を模索しています。しかし大潟村は平成の大合併にも単独立村としての道を選択しました。これは戦後誕生した自治体では日本最後の自治体となるそうです。(つまりみんな合併または分割を行ったわけですね)
  こちらのページでご紹介する温泉「サンルーラル大潟」と「ポルダー潟の湯」はそんな大潟村で現在貴重な雇用を生み出している公営(村営)の温泉です。このような数奇な運命の中から生まれた温泉ですが、全国的にもかなり珍しい、というか秋田以外にはなかなかない本当に個性的な源泉の湯となっています。こちらこの源泉に触れるだけでも温泉ファンの方には経験値がアップする物だと思いますので、ぜひぜひこの地まで足をお運びになってお試し下さい。


ポルダー潟の湯   なんとびっくりユニーク源泉の日帰り湯(画像上)。ポルダーは日帰り施設でサンルーラルは高層ホテルなのですが、実は2軒は隣り合って立っていて、お互い徒歩で1〜2分で行き来出来ます。そしてユニークな湯とはまるで枯れた紅茶のような不思議な赤みの差す湯で全体に薬品というか漢方系というかのような甘〜い香りが充満しており、嘗めると海水のように塩辛いという世にも珍しい物なのです。多くの方が「同じ源泉なのにポルダーのほうが湯が濃く感じる」といわれている通り、どちらか一つという場合には湯そのもの目当てならポルダー、総合的に昼間温泉でのんびりしたいならサンルーラルと使い分けるのも良いと思います。
    6時〜22時。300円。

   極上。お勧め。
サンルーラル大潟   ほぼ真っ平らな大潟村の敷地の中に大きくそびえ、どこからでも目に入る高層ビル、サンルーラル大潟。このホテルの入浴施設は最上階にあり、それはそれは見事な眺望が湯舟から見られる”はず”です。含みのある書き方なのは当研究所、こちらがまさか展望湯とは知らず、寝る直前に夜の締めの温泉に選んでしまったのでした。従ってほんのわずかの明かりしかない夜景しか見たことないのです(くすん)。でも間違いなく素晴らしい展望温泉はずですので、こちらもお勧めです。
    11時半〜20時。500円。

   
極上。お勧め。


ポルダー潟の湯
  このすぐ右がサンルーラルです。
  北東北に多く見られる「強塩泉」。言葉を裏切らない塩辛さです。
  私見ですが、この泡がぶくぶくなっている湯は塩分が濃い場合が多い気がします。
  改めてご覧あれ。この美しい湯を!!
  浴室内はなんとも形容しがたい甘い香りに包まれており、オリエンタルな雰囲気です。
  強塩泉の浴槽は2つあり、その内の一つの横には扉がついていました。
  露天かと思い、期待したのですがどうも純粋に外風に当たって休憩出来るだけのようでした。
  このように強塩泉の源泉がたっぷり掛け流しです。
  しかし、あちらはいわば海水浴の一種ですので、ちゃんと白湯もあります。
  また水風呂もあり、至れり尽くせりです。



サンルーラル大潟
  このように非常にユニークな形の高層建築なので周囲を走ればあちこちから視界に入ります。
  薄暮の時間帯で周囲の景色も本当に美しく、サンルーラルの大浴場から夕日を見たら、すごいだろうなと思いました。
  成分表は全く同じ物が貼ってありましたが、湯の説明はこちらの方がホテルらしく幾分細かくなっていました。
  大浴場。源泉槽と白湯槽がひとつずつあります。
  こちら源泉槽。まったりとした温度でした。
  色が旨く写せませんでしたが、味も臭いも若干ポルダーより弱い気がするのです。



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