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小安峡温泉
  小安峡温泉は「小安温泉」というのが正式名称かも知れません。小安峡とは秋田県の皆瀬村の観光地の名前です。
  東京から小安峡温泉へ行くには様々なルートが考えられます。だいたい3連休を利用すると日程に余裕があり、周辺域を楽しめるのではないかと思います。なぜこんな事を書くかというと周辺には有名どころの温泉地がきら星のごとく散らばっていて、ルートの選び方一つで退屈な移動を温泉のはしごに変えられるからです。  
  まず当研究所一番お勧めのルート、それは東北道の古川ICで高速をおり、国道47号にて『鳴子温泉』を楽しみ、一息ついたら国道457号から398号へと乗り継ぎ、沿道の『温湯』『湯ノ倉』『湯浜』の各温泉のうち気に入ったものをつまみ食い(3つとも極上の温泉です)、そのまま北上を続け、『大湯温泉』にもより、小安峡に至るというものです。このルートは下道走行中のみ見れば正に”ゴールデン”ルートで、大きな移動がなく、どこも10q〜せいぜい30qの移動で次の温泉に入れ、しかも温泉は全てが超一流ばかり。※2010.04.05現在、地震の影響でこのルートは走行できません。
  次に最短ルート。これは東北道を一関ICでおり、国道342号を真っ直ぐ『須川温泉』及び、『須川高原温泉』を目指し、そのまま大湯・小安峡へ直行というものです。このルートならば、金曜の晩にでて車中泊を利用すれば、一泊2日でも十分です。
  最後に日程がもっと余裕ある時のルート。(GWやお盆など)これは国道13号をたどるルートで皆瀬村に裏からアプローチするものです。日程に余裕がある場合、そもそも米沢に至るまでの行程も、東京から塩原まで高速、高速を降りた後は国道400号で『塩原温泉郷』→『湯ノ花・木賊温泉』→『古町温泉』→『奧会津温泉郷』→『熱塩温泉』→『小野川温泉』→『赤湯』→『かみのやま温泉』→『蔵王温泉』など当研究所が推奨する奧会津と山形の超超一流の共同湯に浸かりながら、高速代も掛からず、途中郷土料理グルメの限りを尽くして訪問出来るという夢のようなルートが実現します。


小安峡大噴湯
  大湯方面から温泉街を北上し、抜けきるとそこに大噴湯のPがあります。ここは24Hのトイレもあり、P泊にはグッドです。ここから上の画像のように信じられない段差を遙か眼下まで下ると小安峡が目の前に来ます。(下)   大噴湯は一カ所を指すのではなく、遊歩道沿いにあちこちにある100度近い源泉を総称して言うのだと思います。下の画像のように歩道のすぐ脇から熱気と共に本当に熱いしずくが風で飛んでくることもあり、また流れる源泉が歩道上を横切って川に注いでいる箇所もあるので注意して歩きましょう。
  上:2枚目の画像を真上から見たところ。遊歩道の対岸、左の岸からも熱湯がだらだらほとばしり続ける。   下:そのアップ画像。
  上:その更にアップ画像。岩盤の裂け目から水平に温泉蒸気が吹き出す。怖い!!   下:その湯が川の注ぐ。
  温泉ファンの皆様ならば、お気づきのことと思いますが、この画像は水中から撮っています(短パンを股まで挙げてぎりぎりまで歩行)。この川は夏の間だけおよそ39度から40度の適温の野湯と化します。何人かの方がここでの入浴写真をアップしようとしているのをサイトで見たことがありますが、完全なものは見たことがありません。それは、ここがとにかく人が良く来る観光スポットだと言うことが要因です。
  しかし、この日のコンディションは最高でした。あまりにも適温の上、川面には早朝のためか、谷底のためか、真夏なのにさわやかな涼風が吹き、極上中の極上でした。(当研究所がまっぱになったかどうかはご想像にお任せします)しかし・・・・。(右へ)
  前後に人影が無くても、脱いだ瞬間に人が来るとかしょっちゅうです。そしてここはまだ入浴には認知されておらず、脱いでいると明らかに脱いでいる方が”浮いてしまう”場所なのです。
  当研究所この時は最大のチャンスに恵まれましたが、唯一の決め手に欠け、入浴写真はものに出来ませんでした。それはここはタイマー撮影は無理だということです。どうやっても遊歩道上でセットし、川に入って一番いい場所に行こうとしても無理でした。その上、早起きして観光客がいない大噴湯を撮影しようと一人で来てしまい、奥さんは車で睡眠中だったのです。あわてて呼びに戻りましたが、朝7時にもかかわらず途中すでに階段を下りるおばちゃんのグループとすれ違い、プロジェクトは水泡と帰しました。


小安峡温泉の歩き方
  小安峡温泉はどちらかというと車で移動するタイプの温泉ですが、大噴湯の周囲だけは歩き回ってもおもしろいかも知れません。まず、大噴湯は出来れば行かれてください。次にPから上ったところにある、キャンプ場「とことん山」。ここには山の斜面を生かした林間の爽快な露天風呂があり、安価に入浴出来ます。里山は散歩にもぴったり。是非どうぞ。また大噴湯Pには更に徒歩で北上すると足湯もあります。


小安峡温泉の入浴施設
山神共同浴場   小安峡温泉を当研究所がわざわざ紹介する最大要因の内の一つ。大噴湯と山神共同湯。この温泉は東北でも三本指に入るのではないかという地域密着の生活湯で浴舎の佇まいといい、立地の隠れ家感といい、周囲のロケーションといい、料金支払いの時に生ずる地元の方とのふれあいといい、何をとっても共同湯好きには避け得ない施設なのです。
  
※ジモでもおかしくない施設を開放してくださっている性格のものなので、当研究所では詳しい案内をしません。もし運良くたどり着けた方は指定のお宅で必ず150円支払ってください。(時間はファジー。民家に声をかけるのにふさわしい良識の範囲内で、地元の方で混み合わない時間帯が良いので10時〜16時を推奨します。女性の方混浴なのでご注意。)
  いつまでもこの素晴らしい共同湯を味わえるように旅人としてマナ〜アップに努め、地元密着型の温泉を愛する人たちの認知度を上げたいものです。 
鶴泉荘(旅館)   割引クーポンが手元にあったので、温泉経験値のプラスに成ればと思い、入浴させて頂きました。湯は贅沢な掛け流し。露天は眼下に遙か小安峡を望む展望渓流温泉。しっかりした設備でのんびり湯浴みしたい人向け。
    ?時〜20時。500円。
小安峡温泉公衆浴場   温泉街の南の端の方にあるここで一番一般的な日帰り湯。名は公衆浴場ですが共同湯と言っても良い簡素で小さな施設です。
    6時〜21時。300円。
すみません。画像ありません。
とことん山露天風呂   山神共同湯の次にお勧めな爽快な温泉。露天ですが簡素な内湯もどきもあり、天候を気にせず楽しめます。露天はとことん山の斜面を生かしたもので周囲はさわやかさが先行するうっそうとした林になっています。新緑に雪見にと魅力が尽きないお風呂です。
    10時〜16時半。360円。
すみません。画像ありません。


山神共同浴場
  小安峡温泉街のどこかに画像のようなアプローチが花で包まれた小道をゆく、一軒のお宅があります。   このお宅の裏には・・・・。
  このような温泉ファンならばしばししびれが来て動けなくなりそうなゲキシブの湯小屋があります。   サッシの中は脱衣所のみ男女別に成っていますが、その先は湯船一つの浴室につながっていて混浴です。
  もう一回湯小屋。
  このように料金の支払い方が書いてあります。
  脱衣所を抜けるとを抜けるとこの様に壁も湯船も木でできた極上の空間があります。下の画像のように源泉は角から注がれていて、湯底がすのこになっているのは足下自噴に成っているわけではなく、髪の毛などの湯中の不純物が底に落ちて舞い上がらないようにする工夫だそうです。これには参りました。初めてであった温泉文化です。
  むふふ。最高の気分です。浴感はすべすべするかんじでしょうか。そんなに源泉投入量は多くないのですが、オーバーフローになりやすい湯船でした。   湯は若干の卵臭。ただしかなり加水されています。木の肌触りが何時までも触れていたいと感じさせる湯船でした。


鶴泉荘
  オーソドックスな内湯にシャワーがずらっと並んでいます。掛け流し量はたっぷりで、源泉は80度とありました。
  露天。温度具合もよく、使いやすかったです。
おまけ
  皆瀬村に来ましたら、ぜひぜひ秋田の郷土料理の『稲庭うどん』をお試し下さいませ。東北には冷麺・十文字ラーメンなど他に類を見ない麺類が様々ありますが、このうどんも秋田ならではのものです。

  画像は鶴泉荘前の『堀田食堂』のうどん。温・冷共にボリューム一杯でそれぞれ美味ですが、初めての場合は「温の大盛り」をお試し下さい。なめこは全ての麺類にサービスです。
(だいたい800円くらい)
  ※稲庭うどんとは・・・・元々「皆瀬村」の隣町「稲川町」に古くから伝わる郷土料理です。その製法は本当に最近まで一子相伝のルールに則って後継者一人にのみ伝えられ、皇室献上品とされていたとの事です。本場の稲川村では稲川城跡の前付近にその名も「七代目佐藤養助」という直販及び食堂が営業し、古くから伝わる技法そのままのうどんが食せます。(このお店は冷たいうどんが断然お勧め。温が良い方は堀田食堂へ)稲庭の特長はその独特のコシにあります。細麺なのに妙にもちもちしこしことコシがあり、明らかに讃岐うどんの魅力とは違うものがあじわえます。おつゆも東北らしいしょうゆ(温)を多用したものですが実に上手に仕上げられ、マイルドな中にうまみがしみじみ味わえます。佐藤養助の冷は2種類の付けだれがつき、「みそ味」と「しょうゆ味」でこのうちみそ味は他に類を見ないうまさのものです。



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