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八九郎地区の温泉
  八九郎温泉は秋田県の小坂町の八九郎地区にある温泉です。東北道の小坂インターより国道282号を北上、途中「余路米」「濁川」集落と過ぎて、「野口」地区の入り口が見えたら右折します。そのままセンターラインも無いようなアスファルトの生活道路をみちなりに行き、集落も通り過ぎ山が目前になった頃が目指すエリアです。一応当研究所の案内はエリアまでの行き方に留めておきます。
  八九郎地区の温泉は北東北では有名な同和鉱業が試掘した跡とも、昔旅館があった跡とも言われており、温泉がなぜ湧いているのかは旅館が先か試掘が先かわかりませんが、このエリアのあちこちで炭酸泉が湧いており、当研究所が調べただけでも7カ所は泉源がありました。
  ただこちらの温泉は全国的な知名度で言えば、7つの内3つの湯船(野湯と放置共同湯)を総称して八九郎といっているようです。狭義には八九郎とは3つの内一番手前の温泉を言い、林道沿いに2番目の位置に来る物を『奧八九郎』、3番目に来る物を『奧々八九郎』といいます。このうち、1番目と3番目は万人向けの温泉ですが、2番目は野湯大好き人間のカテゴリーに属すもので当研究所も未だ未湯です。湯は全て極上の『炭酸泉』ですが、3つとも全て個性の違う湯船、湯の湧き方、湯の質をしていて、野湯のエリアとしては東北でも3本指に入ると考えられ、当研究所の個人的な思い入れでは全国でも5本指に入れていいのではないかと考えます。
24H。無料。

極上。絶対お勧め。

実際に訪問の方へ

『あぶ』にご注意
 "夏の山"と"北の温泉"は虫との格闘です。あぶ・ぶゆは刺されると痛いだけでなく、かゆみも『蚊』の比ではない長い期間続きます。(一週間くらい?)。  八九郎周辺のあぶは尋常な数ではないのでアブの期間はご注意を。なお、当研究所、盛夏にも冷夏にもいってみましたが、若干数が違うだけで被害には差はないです。予想ですが6〜9月はだめなのではないでしょうか。訪問には晩秋か、早春をお勧めします。

八九郎地区の温泉
八九郎温泉   国道からは一番行きやすい温泉。かつてはここに共同湯があり、きちんと屋根も掛かっていたという話ですが、鉱山の衰退と共に手入れが為されなくなり、「上もの」のみ雪でつぶれて、泉源と湯船が露天風呂化しているそうです。現在でも地元の住民の方の中で定期的にメンテナンスをされている方があり、訪問・利用される方は『ごみを置いていかない』『キャンプしたりしない』『現状を変える行為をしない』など利用させて頂くという気持ちを忘れず訪問したいものです。泉源は湯船のすぐ横にあり、足下自噴に匹敵するような源直湯です。湯は典型的な炭酸系のもので湯口から流れ込む様は「ドリンクバイキングのコーラやサイダーの様」そのもので、小さな飛沫が飛びまくっています。(2006年のレポ)

   
※2008年には八九郎温泉は地元の方に整備され、男女別の内湯の共同湯として生まれ変わりました。一層のマナーアップに努め、施設に利用方法は地元の方の方針に従ってください。
奧八九郎温泉   野口集落からのアスファルト道は途中橋を過ぎるとダートの林道に変わります。基本的に奧々八九郎温泉のみ林道入り口に看板と地図があり、八九郎温泉と奧八九郎温泉は場所を知らないとやや苦戦します。奧八九郎は「奧々」への途中、枝道に入ったところにあり、道沿いではありませんのでご注意を。こちらは自然湧出の本物の足下自噴泉です。柔らかくなった土状の地面のあちこちから沸騰したフラスコの底みたいにぶくぶく泡が出ています。上記の通り、自然の地形そのままなので落ち葉や虫、その他もろもろのものが沈んでいますし、底が柔らかい土なので足を踏み込めば、泥水の水たまりのように濁りが「ぱっ」と広がり、快適な入浴は難しいです。上がり湯もありません。興味のある方はこの先の林道を進むと更に泉源が見つかります。が入浴適ではありません。(小さかったり、浅かったり)
奧々八九郎温泉   同和鉱業の試掘跡と呼ばれる奇跡の野湯ジャグジー。林道を地図通りに進めばやがて、この地上の楽園が進行右手に突如開けます。車は温泉広場の反対側、進行左手に置きましょう。


※八九郎温泉(画像下)は2008年には地元の方に手厚く整備され、きちんと湯小屋がかけられて、男女別の共同湯となりました。利用には一層のマナーアップを心がけ、地元の方の使用法に合わせてご利用ください。なお下のレポのような開放感ある露天風呂としての利用は現在はできませんのでご了承の上、ご訪問ください。(現在の様子)

※実際に行ってみました。(2010.03.31)



中身は何も変わっていません。オーバーフローのすごさも相変わらずです。
すばらしい温泉です。こんな場所が永遠に続くと良いなと思いました。





  かつてはこのブロック沿いに上ものがあったと言います。今でも鉄の棒が数本出ており、往時を偲ばせます。
  実は上の画像の湯船までは車道から200bほど入らなければなりません。ここが一番見つけにくいかも?   下の画像の中央にほんのわずかブロックの残骸が見えているのですが。
  八九郎・3月。入浴には最適な時期です。温度は浸かり続けるのに丁度良い温度で、外に出てもいきなり湯冷めしたり、風に吹かれると寒くて外に出られないと言うこともありません。また、背後は杉林なのですが、この時期なら花粉症の心配も皆無です。そして何より虫が全くいません。   上の画像は車道方向を望んでいます。遙か中央に当研究所の移動研究室が写っています。雪原は微妙に足を取られない限界の季節でこれ以上遅くなると雪のしまりが悪くなり、かなり歩きにくくなるでしょう。(積雪は50センチ以上あり、締まった雪でないとかなり深く「ズボっ」と足を取られます。雪の下は水田又は小川です。)
  下の画像は雪に露出を合わせました。どこから歩いてきたのかがよくわかると思います。今日は気温は5度〜8度くらい決して冬では寒い方ではないです。   同浴の方は地元の方ですが今日が2度目という事でした。(私の方が訪問回数多い)今までここに風呂があると知らず、前回はあぶにひどい目にあったので今日来たとのことでした。私と全く同じ理由です。
  この時期、奧八九郎温泉方面は積雪により、冬季通行止めですが、私の見ていた範囲では徒歩で数時間かけてたどり着こうとチャレンジする方が数名いました。   しかし季節を問わず素晴らしい風呂です。そしてやっとアブを気にせず思う様入浴できるチャンスが巡ってきました。
  下;初訪問時の様子です。この時まだ上ものの残骸が残っていました。手前の鉄棒が浴舎のパーツだったのだと思います。   いつまでもこのままでいて欲しい、八九郎温泉です。
  八九郎の入り口。車は2台までP可。
  歩き出し口。しっかりと雪の堅さを確認しないと後で大変な目に遭います。
  冬の方が近辺の事情がつかみ安いです。地熱も恐らく高いのだと思います。
  夏場は同じような距離でもわかりにくいです。(中央が湯船付近)
  夏場は温泉の周囲は鉄分が多そうな赤土が表面に出ています。この小川は実は温泉のオーバーフローで出来た川であり、いかに湯量が豊富か推測できます。
  この道をたどるのが正しい行き道です。
  この湯船の周囲には他にも泉源があり、湯の川の源流地点を作っています。(下)   泉源は湯船のすぐ横・この泡の直下で絶えることなく溢れてきています。(上)
  炭酸がしゅわしゅわ言う音が聞こえてきそうな画像です。   湯が豊富な場所は本当に羨ましいです。
  夏場は肩までしっかりはいらないとなりません。あぶが来るからです。上の画像も下の画像も一瞬を切り取った物なので余裕があるように見えますが、この撮影の合間はずっとあたふたして落ち着きませんでした。   美しきオーバーフロー。特に下の画像では縁全体からきれいにオーバーフローし、析出物が鍾乳洞のようになっています。
   かなりの勢いで炭酸がはじけ、顔に当たります。なめるとこのての湯特有の甘さ、塩辛さ、鉄味などがします。
   冬ならではのお遊び。実は湯は透明度がすごいように見えますが、底には鉄分と思われる茶色の砂状の沈殿物がかなり堆積しており、攪拌してみると錆湯になりました。   これはこれで風情があって良いと思いました。しかし虫がいないというのは本当にリラックスできます。完全貸し切りのため2時間くらい遊んでしまいました。


九郎温泉


  林道沿いで2番目の八九郎、俗に『奧八九郎温泉』と呼ばれるのがここです。やや枝道に入り込んだ先にあります。   下の画像の通り、沈殿物・堆積物がすごく、この上、アブが集団でねらっていましたので、入浴はやめました。(特にあぶの為浴後泥を落とす余裕がないのです。)
  深さを確認するだけにしました。膝丈で35〜40aの深さでした。


奧々九郎温泉

  地上の楽園。奧々八九郎。浴槽に使用できる湯溜まりは数カ所有り、お好みで。   上の画像は林道側からの構図。
  下の画像は林道の八九郎温泉方面に向かって写しています。   この切り株の椅子兼荷物置きはどなたか愛好家が置いた物なのでしょうか。主浴槽であるジャグジーの板の脱衣所と共に野湯としては涙ものの設備です。
  ジャグジー主浴槽。下の画像がわかりやすいですが、水中でボコってる下の部分が一直線に白く濁っていますが、濁りの根本にかなりの大きさの穴があり、そこから湯が吹き出しています。   しかし意外なことに炭酸はあまり感じる湯ではなく、泉質的にはかなりおとなしくなっていて、なめても特徴がありません。
   基本的に平らな所ばかりなので湯は行き場所を失い、迷走状態です。上の画像の左のエリアは常に水浸しです。    こちらは冷夏の8月の画像です。かろうじて湯浴みを満喫できる状態でしたが、上がって服を着る時にあぶに一気に5〜6カ所持って行かれました。
  ワンポイントに花を入れてみたのは当研究所の所長さんの趣味です。   しかしいい気持ちです。ここは雪の季節には徒歩でしか来られないとのことですが温度はどうなのでしょう。
   体が振られてしまい、両手でがっしり押さえてないと撮影できないほど勢いは強いです。自然が生んだ芸術品ですね。ここは。
  2度目の登場、当研究所の所長さんです。   さすがにご満悦でした。
泉源はあちこちにあり、ぶくぶく言っています。 ジャグジーどアップ。
なぜかこちらだと緑色に。   この日は入浴中はあぶがあまり来ませんでした。


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