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大湯温泉
  大湯温泉という名称は全国各地で見られます。様々な温泉の専門家も『大湯論』とでも言うべき意見を述べていますがまあ詰まるところは「源泉」といいますか「湯元」といいますかそういったものがあるところが大湯なのだと思います。
  秋田県の大湯温泉はそういう意味では名を裏切らない正に「湯元」であり、源直湯でもあります。大湯温泉はかなりしっかりとした温泉街を形成しており、秋田県では貴重な存在です。その温泉街に均等に旨く4軒の共同湯が散らばっていて、ほとんどが自家源泉所有の上、足下自噴泉の共同湯まであります。残念ながらお店が貧弱で当研究所の『外湯の街』候補には挙げられませんが、日帰り可能な旅館も含めると「はしご湯」するにはかなりの歯ごたえがあり、お勧めの温泉地です。但し、湯は癖のないもので、個性湯がお好みの方ははしごするのも退屈かも知れません。そういう方はどこか一つと言った場合「荒瀬の湯」へどうぞ。
利用時間=6:00〜21:00・利用料金=150円(全施設同料金です)問い合わせ=0186-23-5111(鹿角市役所観光商工課)

大湯温泉のシンボル・荒瀬の湯公衆浴場。 同じく大湯の湯量の豊富さを物語る汲み湯場。

大湯温泉の歩き方
  大湯温泉の共同湯で大型車がP可能なのは「荒瀬の湯」のみです。当研究所荒瀬の湯には今までに3〜4回お邪魔していますが、いつもここに駐車します。そして大湯温泉の共同湯をはしごする場合には、夕方などの混み合う時間帯でない限りこのままここに置かせてもらって、上湯・下湯・川原の湯と徒歩ではしごして戻ってきてもそれほど迷惑にはならないと感じました。
  荒瀬の湯の場所ですが、十和田ICより国道103号で大湯温泉を通過するとやがて並行して走っていた大湯川を横切る橋を通過します。この橋の上から左下に目をやると風情のある湯小屋が視界にど〜んと飛び込んでくることでしょう。そのまま橋を渡りきってすぐ左に路地を入れば、Pがあります。
  その路地をそのまま来た道方面(川の下流方向)に徒歩で行き、最初に進行左手に見えてくる小さな橋を渡って国道に戻り、そのまま横断・通過して行った先に「上湯」が、国道を下り、郵便局や役所・観光案内所などを過ぎて、右手に「元の湯旅館」などの看板が見えてくる辺りの進行左手が「下湯」、右手少し入った「元の湯旅館」の正面が「川原の湯」です。全ての湯に汲み湯や洗濯湯が有り、温泉文化を正しく伝えている場所ですので是非徒歩にて散策下さいませ。

荒瀬の湯   旅人の心を捉えて離さない、渓流沿いに美しい湯小屋を持つ足下自噴温泉「荒瀬の湯」です。北東北ではきちんと形成された温泉街に100円ちょっとの料金で入浴出来る共同湯(公衆浴場)が固まって存在する温泉地は珍しい存在ですので、当研究所の所員の方であれば、ここに来ると誰もがほっとすることでしょう。泉源の上に直にしつらえた湯船には底からぽこぽこ気泡と共に激熱湯が上がってきますが、この湯船自体が東北では「飯坂温泉」のライバルになれるほどの温度で「荒行(あらぎょう)」のつもりで「えいやっ」と湯船に入り、何秒我慢出来るかという温泉です。ちょっとのんびりトドる温泉とは一線を画します。
上の湯   ある意味では公衆浴場的に毎日日常的に使うのに一番適しているかも知れない温泉。湯船の温度が入りやすく調整され、広い洗い場を使いたい放題で体洗いや洗髪が出来ます。荒瀬の湯とは別源泉でこちらは同じ塩化物泉でも軽く卵臭が漂っています。
下の湯   上の湯と同じ側にあり、温泉街の中では正に「下の湯」と呼ぶにふさわしいポジションどりの共同湯。飾り気のない浴室は本当にシンプルですが、実は大湯温泉で一番個性湯なのはここかも知れません。まず、ここは荒瀬と同じ独自源泉で入り口のすぐ前に大きな源泉があります。そこから注がれる湯は「ナトリウム塩化物泉」なのですが、しっかり塩分を感じる上に上の湯同様卵臭もし、そしてこの大湯温泉で唯一軽く色づいて「黄みがかっている」湯なのです。
川原の湯   一番下手にある独自源泉を持つ共同湯。荒瀬と同じくらいの規模の湯船ですが、温度はこちらの方が入りやすいです。



荒瀬の湯
  橋の上から見える湯小屋。大湯川は距離的に十和田湖に近く何となく水源もそこのような気がしてしまいますが、マップで確認するとつながっていないのがはっきり分かります。   しかしこうまで川面に近い湯小屋もあまり記憶がありません。長雨の後等川の水量が増している時にはごうごうとした瀬音で共同湯前では会話が出来ないほどです。
  上:川のアングルを変えてみました。丁度共同湯の前に人工の瀬があり、入り口付近はかなりうるさいです。

  左:P看板。Pは浴舎のすぐ裏と道沿いの2カ所にあり、地元の方は皆浴舎裏、すなわち歩く距離が短かくなる様に駐車しますので、大型車は道沿いのPに停めると迷惑が少ないです。
  浴舎前の通路。隠れ家感があって好きです。
  アングルチェンジ。
  看板。
  入り口を入るとすぐにこの類の浴舎には不似合いな券売機が設置されています。以前は100円未満温泉だったのですが、150円まで値上げが進みました。
  券はここで出します。
  浴室から脱衣所方向。湯船は恐らく川床と同じ高さになるように半地下構造なのだと思います。
  湯底が正方形のパネルが組み合わさって出来ているのが分かると思いますが、パネルはきっちりはまっていなくて少しずつ透き間が空いています。そこから湯がぽこぽこ湧いてきています。
  パネルの下はどのくらいの隙間があるのか分かりませんが、何となく宙に浮いているのかと思うとかなり深いような気になってきます。   下の画像の通り、体にびしっと来る激熱湯なのであまり肩まで浸かってのんびりしていく人は居ません。


上の湯
  上:川を挟んで荒瀬の湯と丁度反対側に上の湯はあります。

  左:大湯はどの共同湯もこの様に「〜浴場」と言います。
  カップもあったし、完全に飲泉だと思いました。所が・・・・、湧水か何かでした。「冷たい!」
  で、本命の源泉はこちらでした。漬け物樽を手作りで加工した湯汲みがいい味出してました。
  こちらのみ独自源泉か未調査です。
  ここも券売券方式ですが、それよりもこのベンチに目がいってしまいました。
  明らかにこれは古い乗り物の部品です。鉄道かなにかでしょうか。いやバス・・・かな?
  上:浴室。だだっぴろい洗い場にシンプルな湯船。切石が美しいです。

  左:汲み湯。カラン代わりです。
  ユニークな「湯ノ花キャッチャー」を発見しました。上のカランは水です。湯は・・・・。
  この様に上向きに溢れています。ざるが湯ノ花を漉しとるのです。


  浴室には軽く卵臭がしました。
  露光を調節して色々撮ってみました。   何となく背後の「泉」という喫茶店が気になります。
  上:洗い場から浴室。   下:天を仰ぐ「主任研究員」。



下の湯
  上:下の湯は湯小屋前のブロック建造物の中に源泉があるそうです。

  左:源直の汲み湯。湯船より源泉に近いヴァージンウォーターに触れられます。
  下の湯源泉は大湯温泉で一番ユニークな源泉です。(当研究所比)画像ではわかりにくいですが若干黄色みがかった湯は硫黄の香りたっぷりの塩化物温泉でしっかり塩味もしました。


川原の湯
  一番下流の川原の湯。周囲にはのどかな雰囲気が漂い、大湯川から引かれた用水路が前を通っている。用水路沿いにベンチや休憩所も設置されていて水面を渡る風に吹かれながら湯上がりに一服出来る。
  左:こちら休憩所にある汲み湯場。
  川原の湯はかなり大きな湯船でしたが、一番浅いような感じです。 湯も一番癖がないように感じました。


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